2008年12月 陛下のご心労

読売
天皇陛下が胸部に変調、2日間公務取りやめ
宮内庁は3日、天皇陛下に不整脈によるとみられる胸部の変調と血圧上昇が確認されたため、
3、4の両日、公務などの日程をすべて取りやめられると発表した。
陛下は皇居・御所で休養される。これに伴い、皇后さまも両日の日程を中止される予定。
同庁によると、天皇陛下は2週間前から胸部の変調を訴えられ、専門医の診察や検査で、
不整脈によるものと診断された。
このため経過を観察してきたが、2日夜から血圧上昇を伴うようになったことから、
検査と休養の必要があると判断されたという。
陛下は最初に変調を訴えられた後も日々の公務を予定通りこなし、
2日は皇后さまと東京都北区の都障害者総合スポーツセンターを訪問。
午後には皇居内で定例の執務にあたり、夜はロンドン交響楽団の演奏会を鑑賞された。
3日は森法相らとの昼食やダニエル・イノウエ米上院議員夫妻との面会など、
4日は公式訪問中のレフ・カチンスキ・ポーランド大統領夫妻との会見などが予定されていた。
陛下は2003年に前立腺がんの摘出手術を受け、その後ホルモン療法などを続けられているが、
宮内庁によると、体調不良で公務をとりやめられるのは異例という。
陛下は今月23日の誕生日で75歳になられる。
(2008年12月3日13時51分 読売新聞)


11月30日
FNN
1日に7歳の誕生日を迎える愛子さま、風邪のため発熱され関連行事すべて取りやめに
12月1日に7歳の誕生日を迎える皇太子ご夫妻の長女・愛子さまが、風邪のため発熱され、
1日の誕生日に関する行事をすべて取りやめることになった。宮内庁によると、愛子さまは29日夕方から
37度台の発熱がみられ、30日朝は38度台まで熱が上がったという。
東宮侍医の診断の結果、インフルエンザではないということだが、風邪による発熱で、回復には数日かかるとみられ、
現在は東宮仮御所で安静にされているという。
愛子さまは30日、通学している学習院初等科の初等科祭に出席する予定だったが、お休みされることになった。
また、12月1日は愛子さまの7歳の誕生日で、皇太子ご夫妻とともに、御所で天皇皇后両陛下に
誕生日のあいさつをなさるなど関連行事が予定されていたが、すべて取りやめになった。[30日12時47分更新]


12月8日
宮内庁は8日、皇太子妃雅子さまが風邪のため、9日に行われる予定だった45歳の誕生日の祝賀行事は
すべて取りやめると発表した。
東宮職によると、雅子さまは6日から37度台半ばの発熱やのどの痛みがあり、投薬などの治療を行ったが、
現在も熱が続いているという。
9日は皇居での天皇、皇后両陛下へのあいさつのほか、東宮仮御所で行事が予定されていた。
長女愛子さま(7)も風邪により1日の誕生日の祝賀行事を中止。8日に登校を再開した。
12月8日20時42分配信 時事通信


皇太子妃雅子さま、45歳の誕生日 文書でご家族や自身の症状について感想寄せられる
皇太子妃雅子さまは9日、45歳の誕生日を迎え、文書でご家族や自身の症状について感想を寄せられた。
雅子さまは、学習院初等科に入学した愛子さまについて、「新しい友達もたくさんでき、
楽しく学校に通っていることを大変ありがたく思っております」としている。
一方、皇太子さまの外国訪問と東宮仮御所への引っ越しが重なった夏ごろについて
「私自身、まだ十分とはいえない中で、さまざまなことを乗り切るのは、とても無理なのではないかと
感じることもありました」と、苦しかった胸の内を明かしている。近況については、
「公務も、少しずつ幅を広げて行うことができるようになった」と記されている。
また、雅子さまの治療にあたる東宮職医師団も見解を発表し、丸5年となる適応障害の症状について、
「多くのお仕事をこなされるようになり、着実にご快復(かいふく)になってこられています」としながらも、
「妃殿下のストレスの軽減が、どのような速度でもって行われるかを具体的に見通すのは難しい」と説明している。
雅子さまは9日、天皇皇后両陛下に誕生日のあいさつをする予定だったが、
風邪をひいて37度代半ばの熱があるということで、予定を取りやめられたが、宮内庁によると、
先週末から風邪をひいていた愛子さまを看病する中で、うつられた可能性が高いという。
[9日6時22分更新]

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公務の一部、見合わせへ=天皇陛下、胃腸に炎症−不整脈は落ち着く・宮内庁
12月9日15時9分配信 時事通信
宮内庁は9日、不整脈と診断され、検査と休養のため一部公務を取りやめた天皇陛下について、
不整脈は落ち着いたが、胃と十二指腸に炎症が確認されたと発表した。
精神的、肉体的なストレスが原因と考えられるといい、医師団は負担軽減のため、
年末年始の日程などの見直しを宮内庁に提言した。
これを受け、同庁は11日の陛下の公務の一部を見合わせることを決めた。
近く長官が所感を出すとしている。
会見した医師団によると、陛下は先月末の心電図検査で、心室上部が原因で脈拍が不規則になる
上室性期外収縮がたびたび見られたが、自然に回復した。今月2日には胃付近の違和感を訴えられたため、
5日に内視鏡検査をしたところ、胃や十二指腸球部に出血の跡や粘膜のただれが確認された。
ここ数年の定期検査では見られなかったもので、急性胃粘膜病変があったとみられる。
現在、胃酸の分泌を止める薬などを服用しているという。 
最終更新:12月9日16時49分

NHK
皇位継承不安定さなど 心労に
宮内庁の羽毛田信吾長官は11日の記者会見で、胃や腸の炎症などで
一部の公務を取りやめられている天皇陛下の体調不良について、
将来にわたる皇位継承の不安定さと雅子さまの適応障害をめぐる皇室への批判などが心労になっていると述べました。
天皇陛下は、不整脈によるとみられる胸の変調や胃と十二指腸の炎症のため、先週、一部の公務を取りやめて
5日間にわたって静養されました。こうした症状は精神的、身体的なストレスが原因と考えられることから、
医師団は、体の負担を軽くすることが必要だとして、年末年始の行事などを見直すよう宮内庁に要請しています。
羽毛田長官は11日の記者会見で、個人的な考えと断ったうえで、天皇陛下の心労について
「ここ何年かにわたり、常に心から離れることのない将来にわたる皇統の問題をはじめ、
皇室にかかわるもろもろの問題に憂慮されている様子だ」と述べ、
皇位継承の不安定さなどに心を痛められているという見方を示しました。
さらに「皇太子妃の雅子さまの適応障害の原因について『皇室そのものがストレスになっている』などとする
一部の報道が皇室の伝統を受け継いで働き続けてこられた両陛下を深く傷つけた」
と述べました。
また、今後の公務については、天皇誕生日や年末年始の行事などがあるここ1か月程度は
可能なかぎり軽いものにするため、出席自体を取りやめるものや、時間を短くするもの、
形を変えて負担を軽くするものなど、ケースに応じて見直しを進めていく考えを示しました。
羽毛田長官は、今年2月には皇太子さまがご家族で両陛下のお住まいを訪ねる「参内」の機会を増やすと
発言されたことについて「ご発言を大切になさっていただければと思います」と、
皇太子ご一家の訪問が増えることを望むという異例の発言をしています。


読売
陛下のご心痛、「皇位継承、雅子妃報道など」と宮内庁長官
天皇陛下の胃腸に炎症が確認され、医師団が「ご心痛」によるとして日程軽減を求めたことについて、
宮内庁の羽毛田(はけた)信吾長官は11日の定例記者会見で、
「将来にわたる皇統の問題を始め、皇室にかかわるもろもろの問題を憂慮されている」と述べ、
ストレスの中心に皇位継承問題があるとの考えを示した。
療養中の皇太子妃雅子さまを巡る一部報道についても、「陛下は深く傷つかれた」と批判した。
羽毛田長官は「私なりの所感」と断ったうえで、
陛下は、現行制度下での安定した皇位継承への不安が「常にお心を離れることがない」と
説明。適応障害で療養が続く雅子さまを巡り、「皇室そのものが妃殿下のストレス」
「やりがいのある公務をされていない」とする一部報道についても、
「皇室の伝統を受け継ぎ、時代の要請に応えて一心に働き続けてきた陛下の気持ちを逆なでするもの」と語気を強めた。
また、昨年6月に十二指腸ポリープの切除手術を受けた皇太子さまや、雅子さまの健康面について
「深く案じておられる」とし、ご夫妻の健康を日常的にチェックする医師団の責任分担を明確化するとした。
陛下の負担軽減については、「ここ1か月程度は可能な限り、日程を軽いものにしたい」と述べるにとどめた。
不整脈などで休養した陛下の病状について、医師団が9日、心身のストレスに起因する「急性胃粘膜病変」と
推定されるとの検査結果を公表、年末年始の負担軽減を要請していた。
(2008年12月11日20時39分 読売新聞)

皇位継承以外も陛下憂慮 皇太子夫妻の健康管理など
天皇陛下が胃腸の炎症を患った原因とされる心身のストレスについて、
宮内庁の羽毛田信吾長官は11日の定例記者会見で所見として
「陛下が将来にわたる皇統の問題、皇室にかかわるもろもろの問題に憂慮される様子を拝してきた」と述べ、
皇位継承問題のほかにも、陛下が皇室の現状を心配している点があるとの見方を示した。
羽毛田長官は、昨年2月の健康診断で皇太子さまの十二指腸に2センチ大のポリープが
見つかったことを挙げ「両陛下は皇太子殿下が相当期間、定期的な健康検査を
受けていないことに強い不安を持った」「妃殿下も健康チェックを定期的に受けるよう願っている」と指摘。
さらに、適応障害という雅子さまの病気の性格上、皇室医務主管が雅子さまの健康管理に
直接関与することは控えてきたと「このことが結果として(ご夫妻の)定期健診の責任を
誰が持つか不明確にし、両陛下に心配を掛けてしまった」と反省点を示し、
今後は東宮職医師団が責任を持って検査するよう伝えたことを明らかにした。
2008/12/11 19:26 【共同通信】

スポニチ
宮内庁長官 陛下、皇室の現状も憂慮
天皇陛下が胃腸の炎症を患った原因とされる心身のストレスについて、
宮内庁の羽毛田信吾長官は11日の定例記者会見で、
所見として「陛下がここ何年、将来にわたる皇統の問題、
皇室にかかわるもろもろの問題に憂慮される様子を拝してきた」と述べ、
皇位継承問題とともに、皇室の現状にも気に掛けている点があるとの見方を示した。
その上で、皇太子ご夫妻の健康管理や2人を支える東宮職の態勢に言及。
昨年3月の健康診断で皇太子さまの十二指腸に2センチ大のポリープが見つかったことを挙げ
「両陛下は、皇太子殿下が相当期間、(定期的な)健康検査を受けていなかったことに
強い不安を持った。妃殿下も健康チェックを定期的に受けるよう願っている」と指摘。
さらに、適応障害という雅子さまの病気の性格上、
皇室医務主管が雅子さまの健康管理に直接関与することは控えてきたとし
「このことが結果として、両殿下の定期健診の責任を誰が持つか不明確にし、
両陛下に非常な心配を掛けてしまった」と問題点を示し
「今後は東宮職医師団が責任を持って検診や検査結果の把握に当たってもらいたい」と考えを表明した。
一方、「皇室そのものが雅子さまのストレスで病気の原因」
「雅子さまがやりがいのある公務をできるようにすることが回復の鍵」といった
一部議論を引き合いに「伝統を受け継ぎ、時代の要請にも応えて働き続けてきた両陛下は、
自らが否定されるような論に深く傷ついたことがあったようにみえた」と話した。
ご夫妻の公務の在り方についても
「皇太子殿下の記者会見での公務見直し発言後、両陛下から『相談に乗るように』とあり、
今も具体的提案を待っている」と述べた。
陛下の公務軽減については「当面の対応」として「ここ1カ月は日程を可能な限り軽いものにしたい」との方針を示し、
個別の公務ごとに延期や取りやめなどを検討するとした。
2008年12月11日 21:13

<天皇陛下>心労の原因「皇統の問題」…宮内庁長官が所見
12月11日21時2分配信 毎日新聞
宮内庁の羽毛田信吾長官は11日、天皇陛下が心労などで体調を崩したことに関し
「私なりの所見」として、陛下が「皇統(皇位継承)の問題」で悩んでいることを初めて明らかにした。
これまで皇室典範改正に絡む皇位継承問題で、陛下自身の受け止め方は伝えられていなかった。
羽毛田長官は会見で「陛下ご自身のお立場から常にお心を離れることのない将来にわたる皇統の問題をはじめとし、
皇室にかかわるもろもろの問題を憂慮のご様子」と述べた。
ただ、皇統の問題の具体的な内容については「控えた方がいい」と触れなかった。
また、皇太子妃雅子さまに関して「両陛下は、皇太子妃殿下が公務をなさらないことを不満に思っている」
との記事が散見されるとした上で「両陛下からこのたぐいのお言葉を伺ったことは一度もない」と否定。
「皇室そのものが妃殿下に対するストレスであり、ご病気の原因ではないか」との論調があることにも触れ、
「皇室の伝統を受け継がれて、今日の時代の要請に応えて一心に働き続けてこられた両陛下は、深く傷つかれた」と
心労の一因になっているのではないかと述べた。
公務については、陛下は23日で75歳となることもあり
「ここ1カ月程度はご日程を可能な限り軽いものにしたい」と述べ、
天皇誕生日や年末年始の各行事について延期や内容の見直しを検討していることを明らかにした。
【真鍋光之】

◇陛下の胸の内、周囲は理解を
天皇陛下の心労について「皇統の問題」を初めて挙げた羽毛田信吾・宮内庁長官の「所見」。
心労には、ほかにもいくつかの要素が複雑に絡み合っているのだろうが、
宮内庁をはじめとして周囲にいま求められるのは、単に陛下の「公務の軽減」を図るのではなく、
胸の内を理解する努力をすることだろう。関係者によると、陛下は皇位の安定した継承を
常に気にかけており、皇太子ご夫妻のお子さま誕生を待ち望んでいた。
皇太子さまが結婚して愛子さまが生まれるまでの8年間は
「(誕生を)いつも気にしておられ、心の休まる時がなかった」という。
秋篠宮ご夫妻の長男悠仁さまが誕生したが、将来の皇室は、女性皇族が結婚によって皇籍を離れるために
「先細り」となる。長官の所見は、陛下が今でも心の奥底で皇統問題を憂慮し続けていることを示している。
長官は、皇太子妃雅子さまに関する一部の報道についても「両陛下は深く傷つかれた」と述べた。
両陛下と皇太子ご夫妻の間に「溝がある」と憶測して、事実に基づかない報道があるのは事実。
普段の穏やかな表情の裏で、陛下の心労、心痛は限界まで来ていたと思う。【真鍋光之】
最終更新:12月11日21時56分


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asahi.com
皇太子ご夫妻、両陛下の心遣いに感謝 東宮大夫が会見
2008年12月12日17時16分
宮内庁の羽毛田(はけた)信吾長官が11日、天皇、皇后両陛下が皇太子ご夫妻の
健康などを心配しているという「所見」を示したことについて、皇太子ご夫妻のお世話役の
トップである野村一成東宮大夫は12日の定例会見で、「(ご夫妻は)両陛下のお心遣い、お励ましを
心からありがたく思っておられる」と述べた。 雅子さまの「適応障害」との診断に関し、
「皇室そのものがストレスであり、病気の原因」との意見があることに、羽毛田長官が
「両陛下は深く傷つかれた」と語ったことに対し、
野村大夫は「まさに妃殿下ご自身が深く傷つかれている点であろうと思う」とし、
「皇室の伝統もご公務も大切に考えておられ、それらを十分に行うことができるように
ご治療に鋭意努めておられる」と述べた。



宮内庁長官、定例会見での発言要旨
2008年12月11日21時37分
宮内庁の羽毛田(はけた)信吾長官は11日、定例会見を開いた。発言の要旨は次の通り。

【長官の会見要旨】
天皇陛下は、かねてから国の内外にわたり、色々と厳しい状況が続いていることを深くご案じになり、
これに加え、ここ何年かにわたり、ご自身のお立場から常にお心を離れることのない
将来にわたる皇統の問題をはじめ、皇室にかかわるもろもろの問題をご憂慮いただく
というようなご様子を拝して参りました。
このような様々なご心労、これ自体は陛下であるがゆえのご心労でありますから、
そのすべてをうかがい知ることはできませんが、私なりの所見を申し上げたいと思います。

(1)今月9日、皇太子妃殿下の誕生日に際し、妃殿下のご感想が発表されました。
この中で、妃殿下ご自身が「天皇皇后両陛下には、これまで私の体調についてご心配下さり、
温かくお見守りいただいているお心遣いに深く感謝申し上げます」とお述べになっているように、
天皇陛下は皇后陛下とともに妃殿下の快復を願われ、心にかけてこられました。
この数年、一部の報道の中に「両陛下は皇太子妃殿下が公務をなさらないことを不満に思っている」
「両陛下は皇太子同妃両殿下がオランダに赴かれたことに批判的であった」などの記事が散見されるが、
妃殿下がご病気と診断されてこの方、両陛下からこのたぐいのお言葉を伺ったことは一度もありません。

(2)この間、両陛下がずっとご心配になっておられたことは、妃殿下の適応障害のみならず、
さらに広義におけるご健康のことでした。昨年、皇太子殿下がポリープの切除手術を受けられたが、
その時も、両陛下はポリープの大きさに驚かれ、相当期間検査がなされていなかったことに
強い不安を持たれました。以後、殿下が定期検診を避けることのないよう願っておられました。
皇太子妃殿下についても現在のご病気のこととともに、妃殿下が、がんを始め様々な
成人病にかかりやすい年齢におられることを深く案じ、健康チェックを定期的になさるよう、
また、そのことに誰かが責任を持ち、妃殿下の健康をお守りすることを願っておられます。

(3)妃殿下の適応障害との診断に関し、「皇室そのものが妃殿下に対するストレスであり、
ご病気の原因ではないか」「妃殿下がやりがいのある公務をなされるようにすることが
ご快復の鍵である」といった論がしばしばなされることに対し、皇室の伝統を受け継がれて、
今日の時代の要請に応えて一心に働き続けてこられた両陛下は深く傷つかれました。
その中でなお、お二方のために両陛下として何が出来るか、宮内庁、掌典(しょうてん)職と
何をはかっていくべきかを考え続けてこられたことを指摘したいと思います。
皇太子妃殿下のご公務、皇太子殿下の新しいご公務については、殿下の記者会見における
公務見直しのご発言のあった直後、両陛下から当時の宮内庁長官、前任の長官、参与などが
両殿下のご意向をよく伺って、ご相談に乗るようにとのご依頼を受け、御前にも出て、
色々と申し上げているが、今も具体的なご提案をお待ちしているところであります。

(4)皇太子妃殿下の健康診断の問題は、従来から妃殿下のご病気の性格上、東宮職の意向もあり、
皇室医務主管が直接に妃殿下の健康管理にかかわることは差し控えてきました。
医務主管が検診の種目を指示し、検査結果を把握することができず、結果として妃殿下だけでなく、
殿下の定期検診の責任をだれが持つかを不明確にし、ご検査を間遠にし、ポリープのご手術の時のように
両陛下に非常なご心配をおかけしてしまいました。
今後は東宮職医師団が直接の責任者となり、両殿下の定期的な検診の実施、検査結果の把握などに
あたってもらうことを考えています。

(5)今年は毎年行われる色々な行事に加え、オリンピックやパラリンピック、様々な事項の
節目の年にあたり、記念行事や式年祭が多かった。通常の年に比較し、お忙しい1年でした。
かねてから私は天皇陛下が75歳のお誕生日をお迎えになり、平成の御代(みよ)が
20年を超えるこの機会に、ご負担の軽減を進めさせて頂きたいと考えてきましたが、
一昨日の医師団の判断にかんがみ、当面の対応として、陛下のお疲れを減らし、
ストレスになりそうな状況をできるだけ減らすために、ここ1カ月程度はご日程を
可能な限り軽いものに致したいと思っていて、天皇誕生日や年末年始の行事などについて
所用の調整をしていきたい。




ご公務軽減が喫緊の課題に 天皇陛下 
12月9日20時3分配信 産経新聞
天皇陛下は今月23日のお誕生日で75歳になられるが、日々のご生活は現在も極めて多忙だ。
陛下のお仕事には憲法で定められた国事行為のほか、
公的な行事へのお出ましや外国への公式訪問、宮中祭祀(さいし)などがある。
国事行為には閣僚の認証や法律の公布などがあるが、
陛下が国事行為に関する書類に署名、捺印(なついん)された件数は昨年1年間で1000件を超えた。
また、昨年公務で訪問された地方は10道府県にも上った。
新嘗(にいなめ)祭などの祭祀にも熱心に取り組まれている。
秋篠宮さまは11月20日、お誕生日に先立つ宮内記者会との会見で、
陛下のお仕事の量を今年1月から10月までと昨年同期と比較して
「決して昨年より今年が少なくなっていることはなく、むしろ昨年より多いぐらい」とご発言。
「一つ一つの行事の中身を変えてご負担軽減につなげていけるのではないか」と提案されていた。
金沢一郎皇室医務主管も「陛下はこれまでいろいろなことに心を使われ、
ご心労やご心痛に耐えていらっしゃる。これが大きな問題」と述べており、
陛下のご負担軽減は待ったなしの課題だ。


<天皇陛下>胃と十二指腸に炎症を確認 不整脈は落ち着く
12月9日20時7分配信 毎日新聞
宮内庁は9日、天皇陛下の体調についての検査結果を発表した。
当初、診断された不整脈は落ち着いたが、胃と十二指腸に炎症が確認されたという。
原因として精神的、肉体的なストレスなどが考えられるとしており、
医師団は負担軽減のために、年末年始の日程などの見直しを宮内庁に提言した。
会見した医師らによると、陛下が不調を訴えたのは11月17日朝。
医師が診断したところ、不整脈の症状が見られた。
心電図検査をした結果、「上室性期外収縮」と診断されたという。
また、陛下は今月2日、胃の付近に違和感を訴え、宮
内庁病院で5日に内視鏡検査をしたところ、胃や十二指腸に出血の跡や粘膜のただれが確認された。
「急性胃粘膜病変」があったとみられ、現在は胃酸の分泌を止める薬と
胃の粘膜を保護する薬を服用している。
金沢一郎・皇室医務主管は「陛下はいろいろなことにお心を使われ、心を痛められている。
ですからご心労、ご心痛と言っていいのだと思います。ずっと耐えていらっしゃる。
ここが非常に大きな問題だと思います」とした上で
「今後、注意深くフォローさせていただきたい」と述べた。
陛下は今月2日夜に血圧の上昇が見られ、翌日から3日間、宮内庁病院で検査を受けた。
内閣の書類へ署名するなどの執務を除いて公務を取りやめていたが、
8日は皇居外であった行事に出席した。【真鍋光之】



秋田魁新報2008年12月13日
「なぜこんなに長引くのか」。 各方面から疑問の声もあがる。
だが、治療にあたる大野裕慶応大保健管理センター教授ら東宮職医師団は、
初めて出した2005年の見解で「ストレス因子がなくなれば六ヶ月程度で解消するが、
慢性の因子が原因の場合は長期間続くことがありうる」と既に”長期戦”を示唆していた。
一方療養入りを発表した五年前、東宮職の見通しは「三ヶ月程度」。
雅子さまに明らかな異変が生じたのは03年秋ごろとされるが、
大野教授が加わった翌年六月までの一年近く、周囲に精神医療の専門すらいない状態で、
当時の東宮職の認識の甘さは否めない。
大野教授らによる「認知療法」の中心はカウンセリングと投薬、そして「気分転換」。
だがこの療法への誤解が雅子さまを苦しめるケースも。
「なぜ乗馬はできるのに公務はできないのか」。こんな批判が週刊誌などで繰り返され、
高級レストランでの食事もやり玉に挙がった。
「何か手助けできることがあれば何でもするのに、東宮職から情報がこない」。
天皇、皇后両陛下周辺には、病状や治療内容が伝わってこないことへの不満も強い。
これに対し、ある精神科医は「第三者に伝えるなんて考えられない。
患者との信頼関係が無になり、病状は悪化する」と精神医療の特殊性を強調した。
今年一月、長野県の冬季国体開会式で笑顔を見せた雅子さま。
しかし翌日には気分が沈み競技観戦を中止。予定をこなせなかった自分に落ち込みながら
帰途の長野駅に向かったが、記者の一人が発した言葉をとてもうれしがっていたという。
「妃殿下、お疲れさま!」
宮内庁の立場は「取材時のお声掛けはご遠慮ください」。ルール違反だが、ある東宮職職員は
「これまでのあつれきから妃殿下はマスコミの前で極度の緊張を強いられる。
そんな場面でふと飛んできた人間的な言葉が、大きな励ましになったと思う」と振り返った。
「人間的で温かい配慮を」。今年の誕生日に際し医師団が発表した見解には「温かい」という言葉が
三回も登場した。「気さくに普通に接してほしいという気持ちが大きいのでは」と関係者は解説する。
皇太子ご一家はこの夏、東宮御所改修のため御用地内仮御所に転居した。
新婚時代を過ごし、こじんまりとしたこの家を、雅子さまはとても気に入っているという。


天皇陛下かくも深き「ご心痛」
AERA12月22日(月) 13時 4分配信
――この1年、好転の兆しがなかった。むしろ、皇室の置かれた状況は後退したのかもしれない。
75歳の誕生日を迎える天皇陛下の心は、「氷の塊」を抱えているかのようだ。
編集部 大波 綾――

天皇ご一家にとって師走は、年の瀬を迎えること以上にあわただしい暦。
愛子さま、雅子さま、そして天皇陛下の誕生月にあたり、祝賀が続く。
ところが、天皇誕生日を前に、2008年の師走は嵐が吹き荒れた。
1日の愛子さま、7歳の誕生日。宮内庁の発表からは、生き物好きの内親王の様子が伝わってきた。
学校から戻るときには赤坂御苑の池にいる水鳥カイツブリの親子を母・雅子さまと一緒に観察され、
昆虫のチョウやナナフシを飼い、卵からかえったカブトムシの幼虫を世話するなど多くの生き物にふれあう。
ピアノやバイオリンの稽古も少しずつ始め、雅子さまと一緒に習字も練習しているという。
しかし、この日に皇居で予定されていた祝賀行事は愛子さまの発熱で、取りやめになった。
雅子さまは9日、45歳の誕生日を迎えた。適応障害による長期療養に入って丸5年。
宮内庁が発表した「ご感想」によると、11月にはスペインの国王王妃両陛下をお迎えし、
5年ぶりの国賓歓迎行事に出席したことなどを挙げて、
「まだ全てのことを十分にできるわけではありませんが、
少しずつ色々なことができるようになってきたように感じられ」と述べた。
だが、愛子さまに続き、9日に予定されていた行事は雅子さまが風邪による発熱のために取りやめになった。
そして、23日の天皇誕生日。例年であれば、誕生日に際して陛下は会見を開くのだが、
75歳を迎える今回は中止に。陛下に不整脈、胃と十二指腸の炎症といった体調不良が確認されたからだ。
祝賀ムードはすっかり沈んでしまった。なによりも、陛下の病状は根が深い。

■皇后さまにも疲労感
周辺に緊張が走ったのは、11月17日。陛下は朝、「何か変である」と不調を訴えた。
侍医が診断すると、脈が飛ぶ「期外収縮」がみられたという。その日は宮内庁長官らと
昼食会が予定されていたが、急遽取りやめになったり、御所を出る際の玄関が変更になったりした。
ただし17日も、その後もしばらく、信任状捧呈式など公務は続けられた。
宮内庁が陛下の検査や休養のために「日程を取りやめる」と発表したのは12月3日になってからのことだ。
わずかな休養期間を経て、8日には皇后さまとともに国際生物学賞の授賞式に出席。
公務に復帰した。出迎えの人たちに笑顔を見せた両陛下だったが、
そのときの写真からは、陛下はもとより、皇后さまの疲労感がみてとれなくもない。

■激務よりストレス
「天皇ご夫妻は一方が体調を崩されると、反応しあうように体調を崩される。
かつて、皇后さまに子宮筋腫がみつかったときの陛下がそうでした。
今回も侍医団はピリピリしたことでしょう。ご結婚された紀宮さま(黒田清子さん)も
『陛下はもちろんのこと、皇后さまが心配です』ともらされているようです」と宮内庁関係者は語る。
公務復帰からほどなくして、陛下の「胸の内」とも受け取れる会見が畳み掛けるように開かれることになるのである。
「おそらく私の立場で初めて口にするのだと思いますが、陛下はご心労、ご心痛をじっと耐えていらっしゃる
というのが私の印象です」
雅子さまの誕生日である9日、こう吐露したのは、金沢一郎皇室医務主管だ。
陛下の検査結果について説明する記者会見の席。東大の循環器内科、腫瘍外科の医師が
同席していたのだが、記者とのやりとりがやや専門的で長引いていた。
質疑を見守っていた金沢医務主管は最後に、こう発言した。
「これだけは本気で理解してほしいんだけれども、陛下のご公務が忙しいから、日程が詰まっているから、
という理由でこんなことになるんだとは単純に考えないでほしい」
陛下の病状は、激務によるものというより、心因性のストレスであることを訴えたのだ。
その2日後。今度は羽毛田信吾宮内庁長官が会見し、陛下の心労について、
「ここ何年かにわたりましてご自身のお立場から常にお心を離れることのない、
将来にわたる皇統の問題をはじめとして皇室に関わる諸々の問題をご憂慮いただくと
いうような様子を拝してまいりました」と語った。
それだけでなく、「私なりの所見」として、陛下の「ご心痛」の根を次々に明かしたのだ。

■「新しい公務」提案なし
その1。「両陛下は、雅子さまが公務をしないことを不満に思っている」といった報道が散見されたが、
両陛下からこのたぐいの言葉が出たことは一度もない。
その2。皇太子さまのポリープについて両陛下はその大きさに驚き、以後、皇太子さまが
定期健診を避けることのないよう願っていた。
その3。雅子さまの適応障害で、皇室そのものがストレスであり、やりがいのある公務が
快復への鍵だといった論があるが、皇室の伝統を受け継ぎ、時代の要請に応えてきた両陛下は深く傷つかれた。
それでも、皇太子ご夫妻のために、宮内庁や祭祀を担う「掌典職」と、どうすべきか考え続けてこられた。
その4。皇太子さまの「新しい公務」発言の後、歴代の宮内庁長官が意向をうかがって
相談に乗るよう言われているが、皇太子さまからの具体的な提案をいただくのを待っている形になっている。
その5。雅子さまの病気は性格上と東宮職の意向があって皇室医務主管が直接かかわることは差し控えてきたが、
結果として誰が責任を持つかをやや不明確にした。
羽毛田長官は、08年2月にも波紋を広げた発言をした。
皇太子さまが過去に「愛子が両陛下と会う機会を作っていきたい」と発言したにもかかわらず、
その回数が増えることはなかったことについて、
「発言されたからには実行をともなっていただきたい」と苦言を呈したのだ。

■消えない「なぜ」の思い
だが、前回とは思いの深さが違うようだ。
「2月の発言は陛下のお気持ちをくんだ中ではジャブ程度の軽いもの。
祖父が孫に会えないといった一般家庭にもありそうな事情でオブラートに包んだ上で、
殿下に自覚を促したかったのでしょう。それに比べて、今回の長官発言は非常に重く、
決定打になってしまった。皇太子さまは打ちのめされてしまったのでは」(宮内庁関係者)
とりわけ、陛下の心に重くのしかかっているのは、皇太子さまの「自覚」についてだという。
たとえば、ポリープにあらわれた自己管理の問題。
別の関係者がこう明かす。
「皇太子さまは年に1回の定期健診の際、大腸がんの検査を自ら『やめましょう』と言って
数年間受けなかったことがあったという。その結果としてポリープが大きくなってしまったことに
陛下はひどく落胆されたそうです」
加えて、自らが過去に発言した「公務の見直し」問題について、皇太子さまが沈黙し、事態が宙に浮いている。
「陛下は『行動が伴わない発言』をすることが本当にお嫌い。皇太子さまがいまだに説明責任を果たさないことに、
『なぜ』のお気持ちが相当にお強い」と宮内庁関係者は解説する。
文化女子大学客員教授でジャーナリストの渡辺みどりさんは、羽毛田長官が
「皇統(皇位継承)の問題」に触れたことに注目している。

■取り戻せない6年半
「皇太子ご夫妻は6年半、懐妊の兆候がありませんでした。流産を経て愛子さまが誕生されましたが、
雅子さまが『外国訪問をすることがなかなか難しいという状況に適応するのに努力がいった』と
発言されたことがあったように、皇太子ご夫妻はお世継ぎに恵まれなかったというよりも、
お世継ぎ問題から離れていたかったような印象を与えてしまった。天皇家は日本一の旧家であり、
継承問題は最重要課題。陛下はその当主として、深く苦悩され続けてきたのではないでしょうか」
渡辺さんがかつて取材した旧皇族には、
「天皇家には継承するという大切なお仕事がある。がんばって子どもをつくらないといけない。
雅子さまは一般家庭に嫁いだのではないのです。覚悟が足りません」と断じた夫人がいたという。
宮内庁関係者は言う。
「雅子さまに初めて妊娠の兆候があらわれたのがご成婚から6年半。陛下はお世継ぎの
重要性に早く気づいてほしいと案じていたのに、皇太子ご夫妻はプライベートなことだからと
向き合ってこなかった。皇太子ご夫妻が40代半ばを過ぎたいまとなってはその6年半は
取り戻せない。宮内庁長官が皇統の問題に触れたのも、そんな経緯があってのことでしょう」
宮内庁長官の発言を受けて、“反論”のような形になってしまったのが、皇太子ご夫妻の
「お世話役」トップにあたる野村一成東宮大夫による12日の定例会見だった。
「両陛下が妃殿下の適応障害とのご診断に対してですね、皇室そのものが妃殿下に対する
ストレスである原因ではないかと、あるいは公務とか皇室の伝統とか、そういったものが
適応障害の原因になっているとの論に両陛下がいたく、深く傷つけられたという発表も
ございましたけれども、まさにこの点については妃殿下ご自身が深く傷つかれている点で
あろうと思います」
雅子さまが長期療養に入ってからは、誕生日に際して雅子さまの「ご感想」に加えて、
「東宮職医師団の見解」の発表が通例となっている。
東宮職医師団とは、雅子さまの主治医である大野裕慶応大教授であることは明らかになっているが、
「雅子さまの誕生日を前に、何日か頻繁に大野医師が東宮仮御所に出入りしていることは
確認されています。ご感想と見解について、詳細な打ち合わせがあったと思われます」(東宮職関係者)

■雅子さまの健康診断
一方で、関係者の一人は、「東宮職医師団の見解は毎年、『着実に快復しているが、
妃殿下のご体調に波がある状況にご理解いただきたい』という定型文のようなものが続いている。
今年こそはと東宮大夫が詳細な長文を大野医師に依頼するという動きもあったが、
早々に断られました。東宮職のトップとしては、雅子さまのご意向をくむよりほかないのでしょう」と語る。
宮内庁長官の言葉を受けてだろうか、雅子さまは冷たい雨が落ちていた17日、
宮内庁病院で健康診断を受けた。当初は6月に予定されていたが、当日になって雅子さまがキャンセルしていた。
長官発言の波紋はそれだけではないようだ。
1年前。皇太子ご一家は、「恵比寿ガーデンプレイス」にあるフランスの高級クリスタルガラスブランド
「バカラ」のシャンデリアによるクリスマスイルミネーションをお忍びで見物した。
今年も19日に予定されていたが、数日前に取りやめになった。
その日、羽毛田長官は東宮を訪ね、皇太子さまと話し合いの場を持ったという。
(2008年12月29日-2009年1月5日合併号)

週刊新潮12月25日号
「陛下と雅子妃」の病状を悪化させる「宮内庁・東宮戦争」
それはまさに異例中の異例というべき会見。(羽毛田長官の会見)
羽毛田長官の会見の内容はほぼすべて皇太子夫妻に関する事で、夫妻の様様な問題こそが
陛下の憂慮の原因であると指摘したようなもの。
羽毛田長官は何故こんなタイミングであんな発言をしたのかまったく理解に苦しむ」松崎氏
「東宮医師団が“着実にご快復されている”という見解を発表したのに同じ日に
金澤主管が陛下の体調不良は“ストレス”“ご心痛”と明言しそれを受けての長官発言。
「陛下の病気の原因も雅子妃だ」と名指ししたようなもの」

この翌日、野村東宮大夫が長官の発言を受けてこう言い放った。
「両陛下が深く傷つかれているという指摘があったが、何より妃殿下自身が深く傷つかれている。(略)・・・」
私の方がよっぽど傷ついているわ、それでもがんばっているのよ。
そんな雅子さまの思いを野村大夫が代弁し、結果的に宮内庁長官に反論したかのように受け止めた関係者が多く、
宮内庁と東宮間に戦争が勃発したかのような印象。
「長官、大夫ともいくら私見と断っても、陛下や皇太子のご意向なしであんな発言は絶対できない。
つまり長官発言は陛下の皇太子に対する叱責であり大夫発言は皇太子の宮内庁、
否むしろ陛下に対して発せられた言葉とみるべき」松崎氏


週刊文春2008年12月25日号
「皇太子ご夫妻に天皇の『ご失望』」
「04年の『人格否定発』以来の事件。これは皇太子ご夫妻と東宮職に対する『最後通告』以外の何物でもない」
と皇室担当記者が絶句したのは12/11の羽毛田長官の発言。これには前段があり、会見に先立つ9日、
金澤医務主管が「天皇陛下はご心労なり心痛をずっと耐えていらっしゃった」と異例の発言。
奇しくもこの日は雅子さまの誕生日。「東宮職医師団見解」も発表されていた。
東宮職は雅子さまの誕生日に陛下の“ご心痛”に関する会見が行われた事に複雑な表情。
「皇族にとってお誕生日は大きなイベントなのに、お祝い当日に発表されなくても・・」
宮内庁関係者は羽毛田長官の会見に込められた天皇のメッセージをこう読み解く。
「皇統の問題、健康診断の問題、公務見直しの問題、いずれも行き着くところは
『皇太子よ、しっかりしてくれ』ということ」
皇室の定期検診は年1回だが、しばらくの間東宮ご夫妻は揃って検診を受けていなかった。
皇太子は今年の5月に検診を受けたが、6月後半に予定していた雅子さまは「色々な事情」(野村東宮大夫)で延期。
雅子さまの病気の経過についても天皇皇后にはほとんど報告がない。
今回の長官会見で最も注目されたのは「皇室そのものが雅子さまに対するストレスであり病気の原因」との
『論』がある事を指摘し、両陛下のなさりようを否定するような『論』に陛下が「深く傷つかれた」と説明したくだり。
しかしこれはそういった『論』を否定するものではない。(宮内庁関係者)
「間違った報道もたくさんあるが、いくつかの記事の内容については側近達が事実関係を確認し、
皇室そのものが雅子さまのストレスとなっている事、少なくとも病気の原因の一つになっている事は
両陛下も承知しておられる」
昨年頃から、雅子さまのご病気を両陛下と結びつける言説まで流れ両陛下周辺を震撼させた。
「こういった話も両陛下の耳に入って、ご心痛を感じるのは当然」
公務の見直しについても陛下はいまだに納得されていない。本来なら皇太子から両陛下のお考えを伺い、
自分の考えも述べ、一緒に考えていくべきだが、皇太子が話に乗ってこない。
これに陛下は落胆し、今回の長官の発言に繋がった。
これに対し、野村東宮大夫はやや憮然として「妃殿下も深く傷ついている」と発言。
東宮職は何かというと「東には東の事情がある」というが、皇室の中心は「千代田城」
つまり陛下。東宮職は皇室全体の事を考えて行動して欲しい。


月刊FACTA2009年1月号
天皇を蝕む「雅子妃問題」
羽毛田宮内庁長官が「両陛下は深く傷つかれた」と異例の会見。
天皇の「心労」を皇太子夫妻は何と聞く。

写真展「皇后さまと子どもたち」に訪れた天皇家ご一家
首を傾げたのは、2人の嫁も孫も入れず、昔の皇太子時代の一家だけで会場を訪れたことだ。
白黒写真も多く交じる、若き日の睦まじい家族写真を前に、親子5人は懐かしそうに語り合っていた。
天皇家の内部にひび割れもなく、2人の妃がまだ嫁いで来る前の時代を偲んだのは、
2人の親王に家族の絆を取り戻せ、というメッセージだったのだろうか。

妃の病名は適応障害と発表されたが、一般の精神科医はうつ病との見方だ。
病状は一切明らかにされていない。正確に把握しているのは、皇太子と東宮大夫ぐらいで、
宮内庁トップにも詳しい報告は上がらない。
理由は「患者のプライバシーということのようだが、両陛下も詳しく知らされてはいないようです。
雅子さまは次の皇后ですよ」と、ある幹部は批判する。
主治医はうつ病治療の第一人者と言われる大野裕・慶応大学教授。
小和田家主導で選ばれた。大野氏は東宮職の「侍医」メンバーではない。
妃の誕生日ごとに「侍医団」ではなく「医師団」の見解が発表される。
今年は「着実にご回復」しているが「長い目で見ていただきたい」だった。
医師団は「週刊誌などは憶測記事を書く」と非難するが、それならもっと情報公開すべきだ。
記者会の矛先は皇太子に向かう。
「順調に回復しているが、まだ「少しずつではありますけれども、快方に向かっていますが、
なお治療を必要としております。依然として体調に波がある」(08年)。
皇太子が説明責任を果たしているとは言い難い。
「かくも長き不在」である。
大野氏は人格的にも信用できる優秀な医師のようだが、いまやセカンドオピニオンを
聞く段階ではないか。宮内庁が人選をし、妃の病状を把握することだ。
庁内にも不満はある。大野氏は皇室を理解しているのか、という疑問である。
「あの先生は皇太子妃を一般患者並みに見ている。相手は超公人で天皇家の一員ですよ。
皇室の伝統に沿った治療をしていただいているのか。病状を公開してこそ、国民の理解が
得られるのではないか」などが代表的な声だ。

最近、雅子妃を「皇太子の妻」「愛子内親王の母親」と位置づけられないか、という声がある。
公務に縛られなければ治癒するのではないか、というのだ。
羽毛田信吾宮内庁長官は、06年の会見で「殿下お一人でなさるもの、ご夫妻ご一緒のもの」と公務を分け、
「殿下のお考えを聞きたい」と語った。長期療養に備え、なんとか気軽に公務に就かせたいというのであろう。
しかし、皇室は男尊女卑の明治時代でさえ、皇后も天皇と一緒に行動していた。
皇室は昔から共働きが伝統であり、皇后、皇太子妃あっての行幸啓、行啓である。
皇室への不適応は、雅子妃に始まったものではない。
ある皇族妃はなかなかなじめず、実家に泣きついた。武家出身の母親は
「お覚悟はどうなさいましたか」とピシャリ。その一言で立ち直ったという話がある。
実家の「覚悟」について触れている。
正田家は東宮御所にほとんど出入りしなかったし、昭和天皇と親しくお茶一杯飲んだことはない。
そのつらさを知っている天皇皇后は、皇太子の結婚が決まると前例に囚われず細々と気を遣った。
婚約が決まった後、婚約者と御所でのデートを許し、4人で食事をした。
天皇皇后の兄妹、小和田家、川嶋家の家族ら31人を赤坂御所に招き、「お披露目」の夕食会を開いた。
天皇皇后は、自分たちの方から嫁に近づき、温かい家庭を築こうと努めた。
かつて「定例御参内」というのがあった。
毎週金曜日の夜、東宮一家が吹上御所を訪ね、昭和天皇皇后と食事を共にした。
皇后も一時は拒否反応があったが、後に振り返って、「陛下をお直(じき)に、お目にかかれること」、
天皇は「陛下が自然にされることを側で見ていること」が参考になり、子供たちの帝王学になったと語っている。
夫妻は御参内を復活し、食事をしながら宮中の風を伝え、天皇のあり方を3世代で語りたかったのだろう。
しかし「拒否」された。
08年2月、羽毛田長官は苦渋に満ちた顔つきで切り出した。
「愛子様の参内が依然少なく、両陛下も心配しておられる」。前任の湯浅利夫も退任前の
05年、「機会をつくって、両陛下と意思の疎通を図っていただきたい」と苦言を呈している。
06年、天皇は「愛子と会う機会が少ないこと」が残念と会見で言い、皇太子は機会を増やすと約束した。
それでも増えないので、長官の発言になったのである。

秋篠宮は参内を、「子どもたちが一緒に行っている時は、世代を超えた交流をする機会で、
こうした時は大切にしたい」と語っている。
05年、那須御用邸に静養中の天皇夫妻は、満蒙開拓団の人たちが戦後開いた入植地を訪ねた。
眞子さまも同道し、開拓の苦労を聞いた。戦中戦後の苦闘の歴史を、次世代に伝えようとしたのである。
宮中の田植えや餅つきなどの行事を天皇一家は大事にしてきたが、必ず秋篠宮家が加わっている。
しかし開拓団の入植地にも餅つきにも、皇太子家に来てほしいのだ。天皇の心は重い。

宮内庁は09年から祭祀の簡略化を図る予定。昭和天皇は70歳になる前から。
宮中では「先神事」といわれ、神を敬うことが大切な務めである。
平成の天皇夫妻は祭祀を厳修している。
07年、天皇は38回宮中三殿に昇り、皇后は08年、16回務めている。
長い間祭祀から遠ざかっている皇太子妃に、歴代天皇のような「敬神第一」の心構えがあるだろうか。
国民のために祈ることは、象徴天皇の根幹をなすものであり、それがなければ、国民の象徴ではあり得ない。
皇室は「国民とともにある」。国民なしの皇室などは存在しないし、天皇は古代から民族の象徴的存在だった。
国民と共にあり、国民にまなざしを注ぎ、国民と接すること、これも「敬神」に劣らず大事なことだ。

週刊朝日2009年1月16日号
皇太子ご夫妻は「民と思う心」おありか 西尾幹二
「雅子妃にとって皇室そのものがストレス」
「やりがいのある公務をすることが快復のカギ」とする論があることに両陛下が深く傷つかれたという長官発言、
これは雅子妃を弁護する論者に対する批判、形を変えた雅子妃に対する明確な批判である。
野村大夫の「雅子妃も深く傷つかれた」発言などは単なる混ぜっ返しであまりにも無礼、
天皇陛下が特別なご存在であることを自覚していない
そして、皇太子夫妻にいずれ「民を思う心」が出てくるのか。
雅子妃の問題一つをとっても、皇太子夫妻には「公」の自覚がなさすぎる。
これでは、国民の側も、天皇や皇族に対する敬愛の気持ちを保てなくなる。