皇室存続の仕組み作れ

【櫻井よしこ 麻生首相に申す】皇室存続の仕組み作れ
2009.4.9 03:45
(略)
日本古来の神道は外来の仏教と融合し、人間を守り導く大いなる存在としての神仏を拝礼した。
拝礼の対象を、仏像に限定することなく、山川草木へ広げていった。仏教を、神道本来の自然信仰に帰し、
自然のなかに仏様が宿っているという思想に育て上げたのが日本人である。
その中心におられたのが皇室である。
神道と一体の皇室こそが、ハンチントンの言う日本文明の核なのだ。
日本を日本たらしめる存在が皇室だといえる。
だが、いま、皇室は大きな危機に直面している。諸問題のなかでも喫緊の課題は2つある。
両陛下のご健康と、皇位継承問題だ。
明日、4月10日、ご成婚50周年を迎えられる天皇皇后両陛下は、ご高齢にもかかわらず、
日夜、大きなご負担に耐えておられる。
両陛下は、どんな日にも、国民への慈しみ、あらゆる人々への労(いたわ)り、
過去、現在、未来の日本人のための祈りと慰霊に、身を捧(ささ)げてこられた。
結果、あまりのご公務の多さに両陛下のご健康が蝕(むしば)まれてきたのは周知である。
にもかかわらず、両陛下は、ご自分の御身のご不満やご不便については一切、語らずにこられた。
ご成婚以前、電話での語らいでの、皇太子さまのお言葉を、美智子さまはこう回想していらっしゃる。
「どんな時にも皇太子とあそばしての義務は最優先であり、私事はそれに次ぐものとはっきり仰せでした」
お2人のご活動から、その信念が揺らいだことがないのは、容易にみてとれる。
そしていま、両陛下のためとして、ご負担軽減の目的で祭祀(さいし)を簡略化しようとの動きがある。
歴代陛下のなかでも、特に、祭祀を大切にしてこられた今上天皇のお心に、
これはかなうことなのだろうか。
祭祀を司(つかさど)る存在、日本人の魂を慰め、鎮め、
国家国民の安寧を祈る皇室の存在の本来の意義に、かなうことなのか。
私には本末転倒に思えてならないがどうか。
両陛下のご負担の軽減について、日本国の形を考慮したうえで、対処策を考えるのは、
内閣の最重要課題のひとつである。
たとえば、国事行為はなさっていただくとしても、
地方へのお出まし等を大幅に減らしてはどうか。
この点に関して、広く皇族方のご協力を仰いではどうか。
このことと一部関連するのだが、もうひとつの重要問題は皇室典範の改正である。
歴史を学ばず、素養浅い小泉純一郎元首相は、
遮二無二、女系天皇に向かっての制度改革を進めようとした。
この件は秋篠宮妃の悠仁さまご懐妊によってさたやみとなったが、
以降、皇位継承問題は放置されてきた。
悠仁さまご誕生で、問題が解決されたわけではないのは、誰の目にも明らかだ。
悠仁さまが成人なさり皇位に就かれれば、今
のままでは日本には、皇族は一人もいなくなる。にもかかわらず、
だれも積極的にこの問題に取り組もうとしない。
首相のお妹は寛仁親王妃となって、皇室に入っておられる。
首相として、また皇室にそれだけ近い立場から、首相は皇室典範の改正を静かに、
しかし、着実に進めるべき立場にある。
皇室のあるべき形に踏み込むことは、日本の国柄について論じ、定義することである。
責任は、現在の国民に対するだけでなく、
過去の長い歴史を紡いできた幾百万の先人たち、
長く未来の日本を担っていくこれまた幾百万の人々に対しても負わなければならず、非常に重い。
その重い責任を果たす最初の一歩は、
日本文明の核としての皇室を、まずしっかりと存続させる仕組みをつくることである。
首相は、旧皇族方のお力も借りる形で、皇室典範改正を、実現すべきだ。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090409/plc0904090346004-n1.htm