東宮家・秋篠宮家の格差

中央公論2006年11月号
皇室典範改正は避けられない
井上茂男(読売新聞編集委員)
▼兄弟間の差は歴然
宮内庁の組織は「宮内庁法」や「宮内庁組織令」などによって決められている。
それらに基づく秋篠宮ご一家と皇太子ご一家のお世話の体制が大きく違う。
秋篠宮家などの宮家のお世話については、宮内庁組織令に基づいて長官官房に「宮務主管」が
総括特命担当として置かれ、宮務課が皇族に関する事務をつかさどると定められている。
そして各宮家に「宮家付」が配置されている。一方、皇太子ご一家のお世話を担う「東宮職」は宮内庁法で
「皇太子に関する事務をつかさどる」とされている。
宮内庁秘書課によると、その定員は秋篠宮付が九、東宮職五一。
秋篠宮付の職員は環境省から出向している宮務官のほか、侍女長、侍女長補、事務担当の主査三人、
運転担当二人、料理担当となっている。
このほか身の回りのお世話をする私的職員が二〜三人いる。
一方、東宮職は前ロシア大使の野村一成・東宮大夫をトップに、東宮侍従長、東宮侍従五人、
東宮女官長、東宮女官三人、東宮侍医長、東宮侍医三人がおり、庶務や行啓、会計、
監理などの事務職員が一三人、看護師四人、身の回りのお世話をする女嬬などがいる。
秋篠宮付の定員には運転の担当と料理の担当が含まれるが、東宮職は運転や料理・配膳担当は別。
皇太子ご一家の運転を担当するのは車馬課配車第二係の六人、料理を作るのは大膳課厨房第五係の五人、
配膳を担当するのは大膳課主膳第二係の五人で、東宮職以外にも計一六人がお世話に携わっている。
これらの職員を含めると、皇太子ご一家のお世話係は計六七人になる。
東宮職には東宮侍医長も含めて四人の医師がいて、二四時間体制で詰めている。
しかし、秋篠宮家など宮家に常駐する医師はいない。
宮内庁は二〇〇一年十月から、秋篠宮さまの地方での公務に宮内庁病院の医師一人を同行させているが、
それは秋篠宮さまに軽い不整脈があるためだ。紀子さまの出産や、眞子さまや佳子さまの病気などは、
ご夫妻の意向もあって、かかり付けの医師に任せているという。
悠仁さまが生まれて、宮内庁は秋篠宮家に看護師三人を公費で配置した。
宮家のお子さま担当の看護師は私的に雇われており、宮内庁が公費負担としたのは初めてだった。
うち一人が宮内庁職員として採用されたが、今年度中は欠員枠を使ったため、定員にはカウントされないという。
一方、愛子さまの場合は、誕生後に看護師四人が公費で置かれ、その後、小児科の侍医一人、
愛子さま担当の侍従一人、看護師二人、お世話係の出仕一人の計五人が増員された。

週刊文春2007年9月13日号
▼東宮家との格差は変わらず
さらに、以前から指摘されていた東宮と宮家の格差の問題も、
悠仁さま誕生から一年経った現在も具体的な解決策は示されていない。
東宮家には約五十人の職員がいるのに対し、五人家族の秋篠宮家付の職員は、
悠仁さまが生まれ、看護師や運転手が増員された今でも十二人。
保育士の採用も現在のところ検討されていない。
宮邸では、お子様方が使われる二階建てのプレハブの建物を増築する工事をしているが、
東宮御所とは大きな差がある。
京都産業大学教授の所功氏も嘆く。
「秋篠宮が遠慮されるのは制度の制約上当然のことです。宮家としてスタッフなどが手薄で
今も不安定な状態が続いています。昭和天皇は幼少の頃、後の鈴木貫太郎夫人となった
足立たかが長らくご養育係を務め、全幅の信頼をえて、
彼女の影響で生物学にも興味をもたれたといわれるほど、様々なものを学ばれた。
彼女のように責任を持てる方が長期的視野で皇族教育、その後の帝王教育を担っていける
制度と環境が必要なのではないでしょうか。皇室典範改正論議も一向に進まない現状では、
将来皇位につかれる悠仁親王の教育にも支障をきたしかねません」

週刊ポスト2008年8月29日号
皇太子家と秋篠宮家「平成皇室」に格差論争勃発
超党派議員の会「皇室の伝統を守る国会議員の会」が悠仁様が天皇に即位することを前提に調査した結果、
格差問題が明らかに東宮御所10億円改修で秋篠宮家との格差がいっそう広がる。
「悠仁親王のためには十分な警護やご教育が必要で、
資金面でも考慮されてしかるべきだが東宮家とは驚くほどの差がある。天皇家の伝統をしっかり守るべく
皇室にかかわる法律をしかるべき形に改正したい」会長島村宜伸代議士(自民党)
「秋篠宮家の皇族費は生活の補助で、皇位継承者確保のため宮家に経済的配慮をするという視点は欠けている」
国学院大学大原康男教授
鉄道移動の場合、東宮家はグリーン車貸切、秋篠宮家はグリーン車に一般客と一緒に乗車。
車移動も赤信号の有無、先導等の数が異なる。
島村氏「悠仁親王は将来天皇に即位する可能性が高い。
経済面、警備、ご教育についてバックアップ体制の充実を早急に考えるべき」
神田秀一氏「皇位継承権問題を先送りせず、根本的な議論をし、制度整備が必要」


週刊新潮2012年5月24日号
▼職員はてんてこまい
東宮家は言うに及ばず、秋篠宮家もお二人の皇位継承資格者を抱える筆頭宮家。
とりわけ、未来のお世継ぎ候補である悠仁さまを育てられる紀子妃にのし掛かる重圧は、察するに余りある。
が、そうしたご負担とは相反して、両家には処遇において大きな差があるのが現実なのだ。
「予算の面でいえば、内廷皇族である東宮家は両陛下と共用で年間3億2400万円の内廷費が
御手元金として支給されますが、一方の秋篠宮家は5人家族で6100万円の皇族費が支払われるのみ。
原則としてここから捻出しなくてはならないのです」
とは、皇室ジャーナリストの山下晋司氏である。
「職員数も、東宮職は51人を擁し、さらに管理部の車馬課や大膳課など別途十数人が担当に
ついているのに比して、秋篠宮家はわずか16人。眞子さまが成年となってご公務に就かれるなど、
ご一家は年々ご多忙になるばかりなのに、3分の1以下の陣容です。実際は、さらに長官官房宮務課との
掛け持ち職員を3人配置するなどして、カバーしています」
09年から秋篠宮家には経産省のキャリア女性官僚が兼務で赴任しており、また悠仁さまのご誕生を受けて
専属の御用掛が2人に増え、さらに私費で数人の侍女も雇い入れている。それでもなお、人手不足は慢性のようで、
90年の秋篠宮家創設以来、取材を続けている皇室ジャーナリストの高清水有子氏が言う。
「秋篠宮家では、『ご日程』として発表されているご活動以外にも、お子様の学校行事や両殿下それぞれに
取り組まれているご研究などでスケジュールが詰まっており、大体そうした日程は、紀子さまがご確認の上
職員に指示をだされています。紀子さまはご出席行事の一つ一つを大切にされるので、
事前に目を通される資料も膨大な量にのぼります。例えば、ある財団の式典に出られた際も、
その財団の方ですらご存じないような昔のパンフレットを取り寄せ、細かく目を通して臨まれていました。
職員の方はご指示を受け、希少な資料まで急いで取り寄せるのですから、やはり忙しくなるのでしょう」
それゆえ、身のこなされ方も、「ご公務の時など、紀子さまはゆったりと優雅に歩いておられますが、
宮邸の中ではフットワークよくてきぱきと動かれています。職員の方も出払っていたりするので、
秋篠宮家にお電話すると、時に紀子さまが出られることがあります。また私が宮邸をお訪ねし、
事務所にお声かけしたところ、殿下自らが戸口まで出てこられたこともありました」
それでも、やはり、「未来の天皇家」に向けた体制作りは徐々に進んでいるようである。
さる職員が言う。「全ての宮家に対して平等であるのが宮内庁の建前ですが、意識的に筆頭宮家
を厚遇しているといっても過言ではありません」
先述したように金銭的支出は年額が定められており、やはり人員の手当てでまかなうほかない。
「両殿下が地方にお出かけの際などは、多くの場合、宮内庁病院の医師が随行しています。
また、本来は陛下のご相談相手である宮内庁参与が、年に2回ほどご夫妻のご意見やご注文を拝聴する
『ご懇談』の機会もあります」(同)
この席で参与らは陛下のご意向を伝え、代わりに両殿下のお考えを伺って皇居に持ち帰るなど、
メッセンジャー的役割を果たすこともあるという。そして、こうも言う。
「このご懇談がなされること自体、秋篠宮家が他の宮家とは大いに異なることを示していますが、
実はこの場に、参与や宮内庁御用掛とともに羽毛田信吾・宮内庁長官も同席しているのです。
直近では1月6日に宮邸で行われています」

SAPIO2013年6月号
皇太子家の敷地は秋篠宮邸の3.8倍で居宅の部屋数は2倍
NEWS ポストセブン 6月7日(金)7時6分配信
「おサイフ」の中味も違えば、護衛の数、皇居を出入りする門まで、皇太子家(東宮家)と秋篠宮家には
大きな「格差」がある。
居宅の大きさも段違いだ。産経新聞記者・大島真生氏が解説する。
皇太子家と秋篠宮家はそのようにして明確に区別されており、その違いがもっとも顕著なのが「おサイフ」だ。
皇室関係の予算には、皇室自身の活動にあてられる「皇室費」があり、
そのうち公的な活動に使われる予算が「宮廷費」。
天皇、皇后両陛下と皇太子ご一家が私的に使うものが「内廷費」、その他の皇族の私的なおサイフが「皇族費」だ。 
平成24(2012)年度の予算でみると、皇室費は約61億9500万円。その内訳は、宮廷費が約55億8000万円で、
内廷費が3億2400万円、皇族費が2億9100万円となっている。
内廷費の対象は5人。一方皇族費の対象は、秋篠宮さまや悠仁さまを含めた宮家の皇族方で総勢17人。
単純計算では、愛子さまは約6500万円で、悠仁さまは約1700万円となる。もちろん実際はそんなに単純ではない。
宮家当主は定額3050万円とされ、親王妃はその半額、成年の子は3割、未成年の子は1割とされている。
秋篠宮家の皇族費は総額で約6100万円となる。 
居宅はどうか。皇太子家の敷地は5460平方メートル。うち私有の居宅部分は870平方メートル。部屋数は17とされる。
一方、秋篠宮邸の敷地は1417平方メートル。私有の居宅部分は472平方メートル。部屋数は8。
明らかに秋篠宮家のほうが小さく、ご家族が5人であることを考えると、より差は大きい。
※SAPIO2013年6月号
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130607-00000001-pseven-soci

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