天皇の埋葬“火葬”に見直しへ

2012年

天皇の埋葬“火葬”に見直しへ
4月26日 19時26分
宮内庁は、天皇や皇后が逝去した際の埋葬方法について、天皇皇后両陛下の意向を受けて、
土葬から火葬に変える方向で具体的に検討を進めることになりました。
天皇と皇后を一緒に埋葬する合葬も視野に入れるということで、
350年余り続いてきた埋葬方法が大きく変わる見通しです。

天皇や皇后が埋葬される場所は「陵(りょう)」と呼ばれ、昭和天皇の場合、
東京・八王子市の武蔵陵墓地に皇后の「陵」と隣り合う形で造られています。
天皇の埋葬は、350年余り前の江戸時代初期から、ひつぎごと埋葬する土葬で行われ、
1つの「陵」に1人が埋葬されてきました。
両陛下は、みずからを埋葬する「陵」は、大きさを含めできるだけ簡素なものとするほか、
埋葬方法は社会では一般的な火葬が望ましく、「喪儀(そうぎ)」についても
国民生活への影響を少なくしたいと述べられているということです。
こうした意向を踏まえて、宮内庁は、「象徴」としての立場にふさわしい「陵」と「喪儀」の在り方について、
具体的に検討を進めることになりました。
「陵」については、歴代の天皇や皇后の「陵」の大きさや形を踏まえたうえで、
埋葬方法を土葬から火葬に変える方向とし、両陛下が望まれている合葬も視野に入れて検討するということです。
また「喪儀」についても、火葬となった場合、個々の儀式の場所や内容、儀式全体をどう組み立てるのかについて、
昭和天皇の「喪儀」も踏まえながら検討していくということです。
これらの方針は、すでに皇太子さまと秋篠宮さまにも伝えられ、お二人とも異存はなかったということです。
火葬や合葬が行われれば、「陵」の縮小につながり総工費も減る見込みで、埋葬方法が大きく変わる見通しです。
こうした検討は、10年ほど前から水面下で進められていましたが、発表が今の時期になったことについて、
宮内庁は「かねてよりの懸案だったが、天皇陛下の手術後の回復を待ち、
改めてご了解を得てきょうの発表になった」と説明しています。

両陛下の思い
両陛下は大正天皇と昭和天皇、それに、それぞれの皇后の「陵」が造られている
東京・八王子市の「武蔵陵墓地」に埋葬される見通しです。
宮内庁によりますと、両陛下は、「武蔵陵墓地」の地形や面積の制約を考えると
今後も用地を確保し続けるのは難しく、みずからを埋葬する「陵」は大きさを含めて
できるだけ簡素なものが望ましいという考えを持たれているということです。
さらに、「陵」の大きさや形をより弾力的に検討できることや、社会ではすでに
火葬が一般的になっていること、歴史的に見ると江戸時代初期よりも前は火葬も多くみられたことなどから、
両陛下はみずからの埋葬方法は、火葬が望ましいと述べられているということです。
また「陵」や「喪儀(そうぎ)」をできるだけ国民生活への影響が少ないものにしたいという
意向も示されているということです。
両陛下の元側近の1人によりますと、皇后さまは、簡素な「陵」を望む天皇陛下の意向を受け、
みずからの「陵」について、常々「ほこらのようなごく小さなものでいいので、
できるだけ陛下のおそばに造ってほしい」と述べられていたということです。
これを聞いた天皇陛下は「それなら合葬がよいのでは」と、
みずからの考えを示されたこともあったということです。
この元側近は、両陛下の意向で合葬も視野に火葬の検討が進められることについて、
「両陛下は、その時々の社会情勢を踏まえながら、
すべてのことにおいて国民とともに歩む皇室像を追い求められてきた。
そうした両陛下の姿勢が、よく表れていると思います」と話しています。

「陵」と「埋葬」
天皇や皇后が埋葬される「陵」は全国に188あり、宮内庁が立ち入りを厳しく制限して管理しています。
形は時代によって異なりますが、古くは、円墳や前方後円墳などで広大なものが多く、
大阪府堺市の仁徳天皇陵は、面積がおよそ46万4000平方メートルと日本で最大級の前方後円墳です。
埋葬方法には土葬も火葬も見られ、天皇と、皇后や子が一緒に埋葬される合葬が行われたこともありましたが、
江戸時代初期の後光明天皇の時からは、ひつぎごと埋葬する土葬で一人ずつ埋葬されるようになりました。
明治、大正、昭和も、こうした埋葬が続けられました。
明治天皇は、京都市伏見区の伏見桃山陵に、大正天皇は東京・八王子市の武蔵陵墓地にある多摩陵に、
昭和天皇は、同じく武蔵陵墓地にある武蔵野陵に埋葬されています。
それぞれの天皇の「陵」の東隣には皇后の「陵」があり、別々に埋葬されています。
このうち大正天皇と昭和天皇の「陵」は、戦前に定められ今の憲法の施行に伴い廃止された
「皇室陵墓令」という法令に準じて造られました。
この法令では、「陵」の形は上円下方か円丘、面積は天皇は2500平方メートル、
皇后や皇太后の場合は1800平方メートルとされていて、総工費は昭和天皇の場合で26億円余り、
平成12年に逝去した后の香淳皇后の場合で18億円余りでした。
今後、両陛下の意向を踏まえて火葬や合葬が行われれば、「陵」の規模の縮小につながり総工費も減る見込みです。
一方、そのほかの皇族を埋葬する「墓(ぼ)」は全国に522あり、「皇室陵墓令」で面積は、
皇太子や皇太子妃で350平方メートル以内などと「陵」に比べると小規模なものとされ、
今の憲法が施行されて以降は火葬のあと夫妻で合葬されてきました。

“国民の負担考えられたと思う”
両陛下の埋葬方法の見直しが進められることについて、象徴天皇制の研究を続け、
日本人の埋葬の歴史に詳しい宗教学者の山折哲雄さんは「これまでと同じような陵を造るということになれば、
広大な敷地や多額の費用が必要となるため、国民に大きな負担になると考えられたのだと思います。
常に国民とともに歩みたいと考えられているおふたりにとっては、葬儀も国民と同じく、
そしてできるだけ簡素にしたいと希望されたのだと思います」と話しました。
さらに、両陛下が合葬を希望されていることについて、「おふたりがこれまで築き上げてきた家族の在り方をみると
死後も同じ場所でご一緒に、と思われるのは自然なことだと思います」と述べました。
また、350年余り続いてきた埋葬方法が大きく変わる見通しとなったことについては、
「両陛下が、これからの皇室を考えていくうえで、今後も国民とともに歩んでいくのだという気持ちを
改めて表されたのではないかと思います」と話しています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120426/k10014736071000.html

両陛下、火葬・葬礼簡略化をご希望…宮内庁検討
宮内庁の羽毛田信吾長官は26日の定例記者会見で、天皇、皇后両陛下が自らの葬儀や陵
(天皇、皇后が埋葬される墓)について、できるだけ簡略、簡素化するよう望まれていることを明らかにした。
葬送は火葬を望まれているという。
こうした意向を受け、同庁は、両陛下の合葬も視野に入れ、陵の規模や葬送のあり方について
今後約1年をかけ、検討を行う。
羽毛田長官によると、両陛下は、昭和天皇と香淳皇后のそれぞれの陵(東京都八王子市)が、
大正天皇陵、貞明皇后陵と異なり、少し離れ、並行に設けられていないことなどから、
陵の用地に余裕がなくなっているのではないかと思われていた。
そうした観点から、自らの陵について「規模を含めできるだけ簡素なものが望ましい」との
考えを示されてきたという。
さらに、陵だけでなく、葬儀全体を「極力、国民生活への影響の少ないものとするように」との意向も示された。
また、現在は火葬が一般的になっており、歴史的にも天皇、皇后の火葬が長く行われていた時代もあることから、
火葬が望ましいと話されたという。
(2012年4月26日20時19分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120426-OYT1T00761.htm?from=main3

2012.4.28 03:23 [産経抄]
江戸時代の初期、文武に長じていた後光明天皇(1633〜54年)が若くして崩御され、
それまでの慣習通り荼毘(だび)に付されようとしたとき、猛然と反対した人物がいる。
御所に出入りしていた魚屋の奥八兵衛である。
▼八兵衛は、御所の人々に「火葬は人の道ではないと、帝(みかど)は説いておられた」
と涙ながらに訴えて回ったという。
まさに至誠天に通ずで、後光明帝は土葬されることになり、昭和天皇まで続いている。
▼360年近くたったいま、その歴史が変わろうとしている。大震災や少子高齢化によって
国の財政事情が逼迫(ひっぱく)する中、御陵建設などで多額の税金が使われるであろうことに胸を痛め、
天皇陛下自ら火葬を申し出られたという。
▼人民が飢えているのに祖父の誕生日にあわせてミサイルをぶっ放し、派手で下品な行事を連発して恥じない
どこかの国の三代目には思いもつかないだろう。
消費税増税を国民に押しつけながら、豪華な赤坂宿舎の家賃をこっそり値下げした国会議員の連中も
陛下に頭があがるまい。
▼天皇、皇后両陛下の合葬も天武天皇と持統天皇の先例があり、お二人の思いを尊重すべきであろう。
ただし、行き過ぎた簡素化には反対だ。葬儀は、亡くなった人を弔うだけでなく、
故人と縁ある人々の絆を確かめるためにあるからだ。
▼昭和天皇の「大喪の礼」では、平安朝風の装束をつけた男たちが、柩(ひつぎ)を
「葱華輦(そうかれん)」と呼ばれる古式ゆかしい輿(こし)で葬場殿に運んだが、
海外の特派員たちは「わたしたちは歴史の特等席に招待されている」と驚嘆気味に打電した。
陛下は国民生活への影響を気にされているが、この国の象徴としての威厳を保ち、
伝統を守る方が大切だ、と八兵衛なら訴えるはずだ。
http://sankei.jp.msn.com/life/news/120428/imp12042803240002-n1.htm



「合葬」を皇后さまがご遠慮の意向
2012.5.7 19:59
宮内庁の風岡典之次長は7日の定例会見で、同庁が天皇、皇后両陛下をご一緒に埋葬する合葬を
「視野に入れて検討する」としたことについて、皇后さまが「陛下とご一緒の方式は遠慮すべき」との
お気持ちを持たれていることを明らかにした。
風岡次長は、合葬にはさまざまな形態があるとして、合葬を選択肢として残しながら、
庁内で埋葬のあり方を議論していく考えを示した。
宮内庁の羽毛田信吾長官は4月26日の定例会見で、江戸時代初期から土葬で行われてきた
天皇、皇后の埋葬方法を、「両陛下のご意向を踏まえ、火葬に変更する方向で検討する」と発表。
合葬についても「視野に入れて検討する」と説明していた。
http://sankei.jp.msn.com/life/news/120507/imp12050720000001-n1.htm

天皇陛下 火葬や合葬など葬儀の簡素化を望む思いとは
週刊朝日 5月8日(火)18時7分配信
4月26日、宮内庁の羽毛田信吾長官は会見で天皇、皇后両陛下の葬儀の簡素化に関する方針を発表した。
両陛下は自らの葬送を「極力国民生活への影響の少ないものとするように」としており、
同庁は葬儀を土葬ではなく火葬とすることや、墓所に当たる「陵」の小規模化、
天皇と皇后を同じ陵に埋葬する「合葬」などを検討するという。
テレビ朝日で宮内庁担当を長年務めた神田秀一さんによれば、
火葬は昭和天皇の時代にも検討されたことがあるという。
「宮内庁は1978年ごろにも、昭和天皇の葬儀を念頭に、内々で火葬を検討していました。
法令で土葬が禁止されている地域があったためです。天皇家にこの法令は適用されませんが、
世の中の流れに逆らう形で土葬を続けていいものかと、宮内庁が行政レベルで検討していたのです」
だが、昭和天皇が健在な中で公然と議論するわけにもいかず、いつしか立ち消えになったという。
それだけに、両陛下が羽毛田長官を通じで自らの意思を公にしたことは、
宮内庁の関係者にも驚きをもって受け止められている。
麗沢大の所功客員教授(日本法制史)は、
「今回のご意向は、皇太子時代から象徴天皇のあり方を考え続けてこられた陛下が、
政府や国民に象徴天皇としてふさわしい葬儀の形や、さらに言えばみたまの祀り方を考えるようにと、
重い問いを投げかけたと言えるのではないか」と指摘する。
※週刊朝日 2012年5月18日号
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20120508-00000003-sasahi-soci

両陛下ご喪儀:宮内庁、火葬の具体的協議開始
毎日新聞 2012年05月24日 21時39分(最終更新 05月24日 21時59分)
天皇、皇后両陛下のご喪儀を巡り、宮内庁の羽毛田信吾長官は24日の定例記者会見で、
火葬を行うことなどに関する具体的な協議を庁内で始めたことを明らかにした。
一つの陵に入る合葬に関し、皇后さまが以前から遠慮する意向を示していたことにも触れた。
羽毛田長官は4月26日、両陛下の意向を受け、土葬ではなく火葬を検討していることや
合葬も視野に入れて検討することを発表。風岡典之次長は今月の会見で、
皇后さまが「ご一緒の方式はご遠慮すべきだ」という考えを持っていることを明らかにしていた。
この日の会見で長官は、皇后さまがこうした意向を以前から持ち
「自分がもし先に亡くなった時のことを考えると」とも話していたと説明した。
同じ墓域に小さい塚(陪塚)を設けたり、墓室を続き部屋にする方式も検討対象といい、
長官は、完全な合葬形式も含めて「いずれにしても簡素化という視点を入れていく」と述べた。
同庁は検討期間を約1年としているが、「実現の可能性が見えた段階で(天皇陛下に)報告したい」とも述べた。
また、訪英後の天皇陛下の様子については「お疲れになったと思うが、お元気なご様子」と説明した。
羽毛田長官は今月末で退任することが明らかになっている。【長谷川豊】
http://mainichi.jp/select/news/20120525k0000m040111000c.html



天皇の葬儀 皇居東御苑を検討
7月12日 21時59分
天皇や皇后が逝去した際の埋葬方法や葬儀について検討を進めている宮内庁は、天皇の葬儀のうち、
皇室の儀式として行われる「葬場殿の儀」について、昭和天皇のときに行われた新宿御苑ではなく、
皇居の中で行うことが可能かどうか、検討していることが分かりました。
天皇の葬儀のうち、皇室の儀式として行われる「葬場殿の儀」は、
昭和天皇のときは東京の新宿御苑で行われ、2か月半にわたって公園が閉鎖されました。
宮内庁の風岡典之長官は、12日の定例会見の中で、天皇陛下の「葬場殿の儀」を
皇居の中の東御苑で行うことが可能かどうか、検討していることを明らかにしました。
天皇陛下はみずからの葬儀について、できるだけ国民生活への影響が少ないものにしたいという
意向を示されています。
昭和天皇の葬儀では、「葬場殿の儀」は、国の儀式の「大喪の礼」と同じ日に新宿御苑で行われています。
風岡長官は、「葬場殿の儀」の場所は「大喪の礼」にも関係してくるとして、
今後、内閣府ともよく相談していきたいとしています。皇居の中で葬儀が行われることになれば、
国民生活への影響が少なくなるほか、葬儀の規模も縮小につながる可能性もあります。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120712/t10013546031000.html

2013年11月
天皇、皇后の葬送「火葬」に 合葬は見送り