西尾幹二×所功

超・天皇論
DISC-2「論客決戦!西尾幹二×所功」
テーマは 皇室とメディア

西尾:NHKを含むマスメディアは皇后にスポットを当てすぎている。皇后陛下はすばらしいお方であり、
民間から嫁いで深い努力をされたことに我ら国民も敬意を抱いてはいるが、
マスコミも民間の価値判断を当てはめて、そこばかり強調している。
このような報道は、皇室を人格主義の枠組みに当てはめてしまうことになる。
皇后を人格的にすばらしいという枠組みに当てはめ、
皇太子妃を裏返しの意味での人格的な枠組みを当てはめて非難することになる。
本来の皇室報道とは「天皇陛下の血統の神秘さと尊厳を暗黙のうちに知らしめる」ものであった。
昭和天皇の代まではそうなっていて、香淳皇后が前にでることはほとんどなかった。
ところが今は、「国民のウケがいい」と今上陛下よりも皇后陛下をメインに出すことが多くなっている。
これは報道の堕落である。マスコミは、皇太子が天皇になられたとき、何をメインに出すのか? 
皇后陛下を前に出すことはできないんですよ。
天皇家は、人格とか努力とか無関係に血統の尊厳ということが大事なのであって、
そのことをメインとする(国民への)教育もなされてないし、報道もしていない。
今、(マスコミが)やっていることは「破壊行為」なんです。
皇后陛下を過度に持ち出すのは皇室に対する”破壊行為”なんです。これは逆説的な言い方ですよ。
私は皇后陛下を大変評価しているし、何度も皇后陛下論を書いている。
その人間が申し上げるが、マスコミのやり方は皇室を破壊する行為だ。

所:西尾先生がおっしゃったことは非常に大事なことで、全体的にはまさにそのとおり。
皇室にとって何が一番大事かというと、その中心にいる天皇陛下です。次に皇太子殿下です。

西尾:天皇はコマの芯みたいなもので、芯がしっかりしていればコマ(国民)も動かない。
(天皇がしっかりしているときは国もしっかりしている。)二千年の間も今も、そうなんです。
北朝鮮に侮られ、韓国に蔑まれ、中国に脅されるような時代は昭和天皇の御代には無かった。
今上陛下が悪いわけではなく、米ソ冷戦が終わったということだけれども、
その結果、皇室の位置というものが危うくなってきている。
というのは、皇室は武家よりも高い位置にあって、武家が無言のうちに守ってくれるものだったが、
1945年以来、武家はアメリカが取って代わってしまった。日米関係がぐらついて、
皇室は危機に瀕している。そうであれば、日本が国家権力を取り戻して皇室を守らねばならない。
それができない日本が一番の問題。次の126代天皇の時代は外交上の立場が苦しくなり、
さらに厳しい時代になる。よほど英明の君でなければ象徴天皇の役割は務まらないのではないか。

所:現在の「象徴世襲天皇制度」について、教育が足りない。憲法の第一章に書いてあることなのに、
公民や歴史の教科書で説明しない状態が60年以上続いている。

西尾:天皇無視がますます強くなっていますよ、私どもの教科書以外はね。
所:「礼賛」するという意味ではなく、天皇制度についての教育(2000年以上続いてきたことや、
政治家とは別の役割があるということなど)を客観的に行うのが大事。

西尾:「愛子様不登校問題」について、天皇・皇后両陛下からすばらしいお言葉があった。
『学校や数名の児童が関係することがらであり、いずれかが犠牲になる形での解決が
図られることのないよう十分に配慮することが必要ではないかと思う』
私は学習院側に落ち度があるとは思わない。
子供の頃は「お前のかあちゃん、デ〜ベ〜ソ〜」と言ってはしゃぎまわる年齢で、
そういう中でもまれてなければ一人前になれない(皇室の方であろうと)。
さすがは両陛下のお心配りだと私も安心した。
ところが、皇太子ご夫妻からは「私たちも心を痛めております」の発言があったけれど、
国民の皆様に心を痛めているんではなくて、「愛子の運命に心を痛めている」という風にしか読めない。
それからしばらくして、複数の週刊誌報道だから間違いはないと思うが、
雅子妃殿下が学習院側に謝罪を要求した、と。子供の親と学校側に謝罪を要求した、と。
その話を聞いて天皇・皇后両陛下は「えーっ」と驚かれた、愕然とされた、と・・・
この大きな心の差はどこにあるのか。本当に病気なのか、それとも生まれや育ちのことに
関わるのか、そういう言葉が出てくると言うことは。または単なる性格なのか。

所:西尾さんと私が異なるところは、問題は東宮側よりも学習院側の認識にあると思う。
現在の学習院が皇室の方々をお迎えできる状態なのか、ということ。
このことで悠仁様がお茶の水大附属幼稚園に通うことになったのではないか。
学習院の幼稚園は敗戦とともに廃止されたものの、現皇太子の誕生により、
当時の学習院の院長が浩宮様のために幼稚園をつくる必要があると提言し、再び開園した。
そのくらい、学習院とは皇室という特別な方々のための存在であるはず。
悠仁様に3年保育を求められたのであれば、学習院幼稚園も2年保育から3年保育に変えたらよかった。
将来の天皇になられる悠仁様のためにはそういう体制をとればよかった。
同様に、敬宮様の問題でも、『ふつうにしてください』と言われたから
普通の子と同じ扱いをした、ということだが、それは違うと思う。
学習院の教職員だけでなく、学習院に子供を通わせている父兄も含め
「特別な方々」との認識をしっかりと持って、深い配慮の元で「特別扱い」すべきだ。

西尾:このままでは天皇や皇室が続いて行かなくなる

勝谷:皇室というのは「血統」以上に「魂」なんですよ。
魂が受け継がれなくなる可能性があるってことなんです。

西尾:天皇御一家に対する私たちの思いというのは、つつましやかさ、謙虚、正直、清潔さ、
清らかさといった日本的美徳を体現されることを望んでいるし、国難にあって皇室の方々がそれに耐えているのを見て
「陛下が忍耐してくださってる」ということが国民の勇気になるんです。
「陛下が耐えてくださってる、だったら我々も耐えようじゃないか」と、今までずっとそうだったんですよ。
陛下が民を思う心を持ってくださり、国民は陛下を見上げるという構造、
これはキリスト教のような絶対神に対する祈りとも、中国の皇帝のような絶対君主でもなくて、
生きている方々が神もしくは祭祀者(神であり人である)ということで、他の国々に例のないものなんです。

西尾:雅子妃殿下の病状というか、見ていると皇室の行事がいやでいやでたまらない、という感じなんですね。
それはさながら「君が代と日の丸が大嫌いな日教組の教師」と同じように、
目の前に日の丸を見たらイヤになるとか、君が代を歌えと言われたら拒否反応が起こるというような、
そんなような心理状態にあるからこそ、皇室に入ったら病気になるか・・・・・
見てたら、陛下に会うまい、会うまいとしていますね。天皇陛下との御面談を極力避けておられますね。

西尾:学習院を非難するのは酷だ。(雅子さまが)写生大会や一泊旅行に参加させず、囲い込んでしまう、
これは愛子様に問題児的なことがあるためなのか、
妃殿下が子離れできていないためなのか、問題があるとしか思えない。
基本的に先生方を信頼していないということ。悠仁様の話がでたけど、私は、秋篠宮様は
大変賢明な道をとられたと思う。(宮様は)愛子様の入学以来、学習院で何が起こっていたかわかっていた。
愛子様を巡るトラブルに巻き込まれたくない、ということ。
秋篠宮家の懸命なる対応だ。夫たるもの、もっとしっかりしてほしいと思うが、
(東宮では)お二人の間になにか深い溝があるように見える。

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