皇室の尊厳、日本の誇りを大事にしよう

すいとく(穂徳)第706号(平成25年5月1日発行)
「皇室の尊厳、日本の誇りを大事にしよう」
神道政治連盟推薦
参議院議員比例代表(全国区)ありむら治子

国語の乱れ、とりわけ不適切な敬語表現が指摘されるようになって久しい。
昨年三月、NHK全国中継のあった参議院予算委員会において自民党を代表し質問に立った私は、
「女性宮家創設が、陛下の御意思かどうか」について、政府の見解を質しました。
宮内庁・風岡典之次長(当時、現宮内庁長官)は、
「陛下は、憲法上、国政に関する権能を有しないというお立場でございますので、
制度的なことについては特に発言をしておりませんと答弁されました。
 この発言を聞いて、「本当に宮内庁は大丈夫か?」と不安を覚えたのは私だけではなかったと思います。
天皇陛下に仕えて頂く宮内庁職員、特に幹部職員くらいは的確な言葉遣い、
適切な尊敬語・謙譲語を心がけて頂きたいものです。
 天皇陛下は昨年の春、心臓バイパス手術を受けられました。今回の手術については、新聞や報道番組のみならず
ワイドショーまでが連日にわたり詳細に報じました。
心臓の拡大図や血管のつなぎ方など事細かに説明がなされていましたが、
果たして一連の報道が適切であったのかどうかは、意見が分かれるところです。
 病気、病歴などは個人情報の最もたるもの。最近では病院においても、名前ではなく
受付番号などでアナウンスされることが多くなりました。病に向き合い、辛い状況にある患者さんの
プライバシー(個人情報)を尊重する、社会的配慮があってのことでしょう。
 かつて、昭和天皇がご病気になられた際、医師団は陛下の手術を行っていいものか、
果たして御体にメスを入れることが適切なのか、と葛藤されました。
平成の御代も二十数年経ちましたが、今上陛下も世界の平和を祈り、日本民族の安寧のため、
国民と真摯に向き合われ、力を尽くして下さっています。
東日本大震災後の陛下のお姿に国民は敬愛の念を深め、さらに絆を確かなものにしました。
「開かれた皇室」とは、陛下や皇族方のご病状や家庭内力学の全てを
万人の知るところにするということではないはずです。
こと皇室に関しては、慎みを持った謙虚な日本国民でありたい、と強く念じます。
 今から十五年前、宮内庁が中心となり、女性・女系天皇容認を含めた皇室制度に関する検討会を非公開で、
いわば秘密裏に行っていたことが明らかになっています。国柄の根幹とも言えるご皇室の御事について、
国民から隠すかのように議論しておきながら、今上陛下のご病状、手術の詳細を公表し、
果てには陛下がご快復途上、大変な思いでリハビリをなさっている大事な時期に、
陛下の埋葬方法の検討を発表した宮内庁の対応には、理解しがたいものがあります。
 政府は、万世一系、百二十五代にわたる男系男子による皇位継承の歴史を変質させる、
「女性宮家」なるものの創設を検討していますが、今こそ二千六百有余年にわたり
日本民族が堅持してきた国柄を守り、固め成す時です。
国民の多くは、天皇皇后両陛下・皇族方をお護りするのが宮内庁であると認識しています。
宮内庁には信じられる役割を担って頂きたい。私の率直な願いです。

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