「深い悲しみを新たに」 天皇陛下お言葉全文

2015.8.15 16:51更新
【全国戦没者追悼式】
「深い悲しみを新たに」 天皇陛下お言葉全文

「戦没者を追悼し平和を祈念する日」に当たり、全国戦没者追悼式に臨み、さきの大戦において、かけがえのない命を失った数多くの人々とその遺族を思い、深い悲しみを新たにいたします。
 終戦以来既に七十年、戦争による荒廃からの復興、発展に向け払われた国民のたゆみない努力と、平和の存続を切望する国民の意識に支えられ、我が国は今日の平和と繁栄を築いてきました。戦後という、この長い期間における国民の尊い歩みに思いを致すとき、感慨は誠に尽きることがありません。
 ここに過去を顧み、さきの大戦に対する深い反省と共に、今後、戦争の惨禍が再び繰り返されぬことを切に願い、全国民と共に、戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対し、心からなる追悼の意を表し、世界の平和と我が国の一層の発展を祈ります。

http://www.sankei.com/life/news/150815/lif1508150035-n1.html2015.9.20 06:00更新
【皇室ウイークリー(番外編)】
戦後70年、両陛下の思い引き継がれ…皇族方も「慰霊の旅」
戦後70年を迎えた今年、天皇、皇后両陛下は4月に激戦地だったパラオ共和国ペリリュー島を訪問するなど
「慰霊の旅」を果たされてきた。その陰で報道などではあまり大きくは取り上げられていないものの、
皇太子ご一家、秋篠宮ご一家をはじめ皇族方も両陛下の平和への思いを受け止め、
追悼の祈りと記憶の継承に尽くされている。
「亡くなられた方々のことを決して忘れず、多くの犠牲の上に今日の日本が築かれてきたことを心に刻み、
戦争の惨禍を再び繰り返すことのないよう過去の歴史に対する認識を深め、
平和を愛する心を育んでいくことが大切ではないか」
2月23日のお誕生日を控えた記者会見で、皇太子さまは「戦争と平和についてのお考え」を尋ねる質問に
こう答えられた。「戦争の惨禍を繰り返さない」というお気持ちは、
8月15日の全国戦没者追悼式で、天皇陛下が述べられたお言葉と重なる。
皇太子さまはさらに、ご自身が戦後生まれであることに加え、
近年は戦争の記憶が薄れようとしているとした上で、
「戦争を体験した世代から戦争を知らない世代に、
悲惨な体験や日本がたどった歴史が正しく伝えられていくことが大切である」と述べられた。
天皇陛下は1月1日、新年にあたって出した感想の中で、
「戦争の歴史を十分に学び、今後の日本のあり方を考えていくことが、
今、極めて大切なことだと思っています」とのお考えを示されている。
側近は「両陛下が自ら慰霊の旅を続けるのは、
若い世代に戦争の悲惨さや平和の尊さを思い起こしてもらいたいというお気持ちも込められている」と話す。
6月には、両陛下とともに皇太子さま、秋篠宮さまが原盤の再生に成功した昭和天皇の
「玉音放送」を聞く機会を持たれた。
7月には、皇太子さま、秋篠宮さまが皇居内の防空壕だった「御文庫付属庫」を視察されている。
皇太子ご夫妻の長女で、学習院女子中等科2年の敬宮愛子さまが折に触れ、
両陛下や皇太子ご夫妻から先の大戦の話をお聞きになる機会もあるという。
4月9日。両陛下がパラオ・ペリリュー島で西太平洋戦没者の碑に供花し、
深々と拝礼される様子を、皇太子ご一家はテレビでご覧になったという。
両陛下のご帰国後の同月13日、皇太子さまは皇居・御所を訪れ、
パラオ訪問中に委任されていた国事行為の臨時代行について、天皇陛下に報告された。
報告を終えた後には、皇后さまと皇太子妃雅子さまも加わり、パラオ訪問について言葉を交わされたという。
7月26日。皇太子ご夫妻は、戦争を知らない若い世代に悲惨な体験や日本がたどった歴史が
正しく伝えられていくことが大切とのお考えで、夏休み中の愛子さまを伴い、
東京都千代田区の国立施設「昭和館」を訪問された。同館では、戦中・戦後の労苦を後世に伝えるため、
「学童疎開」や「空襲」などのテーマごとに資料を常設展示している。
戦後70年の今年は「昭和20年という年〜空襲、終戦、そして復興へ〜」と題する特別企画展も開かれていた。
戦争関連の展示を初めて見学した愛子さまは、当時の写真などが並ぶガラスケースをのぞき込み、
戦後、墨塗りされた教科書に関心を示されていた。
8月22日には、皇太子ご一家で東京都千代田区の日比谷図書文化館を訪れ、
昭和館など国立施設3館の合同企画展「伝えたい あの日、あの時の記憶」をご覧になった。
愛子さまが、曾祖母の香淳皇后が戦傷者に贈った日常用と作業用の義手に目を留め、
「これも義手なのですね」と尋ねられる場面もあった。
戦傷者である漫画家の水木しげるさんの体験を講演した水木さんの長女、原口尚子さんらとも
約30分にわたってご懇談。小町恭士東宮大夫によると、愛子さまは、原口さんに
「水木さんから戦争のお話をお聞きになっていますか」などと質問されたという。
約10万人が命を落とした東京大空襲から70年を迎えた3月10日。
秋篠宮ご夫妻は東京都慰霊堂(墨田区)で行われた慰霊法要に参列し、焼香して犠牲者を悼まれた。
この法要には毎年、宮家の皇族方が順に臨まれているが、この4年間は秋篠宮ご夫妻が続けて足を運ばれている。
「宮家の皇族方も両陛下の平和への思いを受け止め、訪問先の近くに慰霊にまつわる施設があれば立ち寄り、
追悼の祈りをささげられている。戦後70年の今年は特に、そういうお姿が見られる」。
宮内庁関係者はこう語る。
4月6日。総裁を務める山階鳥類研究所の会合に臨席するため、広島市を訪問した秋篠宮さまは、
昨年8月の土砂災害で大きな被害が出た安佐南区八木地区の現場を視察するとともに、
平和記念公園で原爆死没者慰霊碑に供花もされた。
5月25日には、秋篠宮ご夫妻が東京都千代田区の千鳥ケ淵戦没者墓苑で開かれた拝礼式に
皇族方を代表して臨席し、先の大戦で海外などで亡くなった身元不明の戦没者を追悼された。
秋篠宮さまは同月28日、日本動物園水族館協会の通常総会に出席するため訪問した兵庫県姫路市で、
先の大戦の空襲犠牲者を祭る「太平洋戦全国戦災都市空爆死没者慰霊塔」に供花されている。
秋篠宮ご夫妻も、お子さま方への記憶の継承に心を砕かれている。
昨年11月30日の秋篠宮さまのお誕生日を前にした記者会見で、
秋篠宮妃紀子さまは、読書や戦争体験者の話を聞くことなどを通じ、
「子どもたちが自然に平和の尊さを感じることができるよう心がけてまいりました」と述べられている。
ご夫妻は7月17日、次女の佳子さまとともに東京都港区で開催されていた展示会
「はがきで綴(つづ)る、戦争の記憶−千の証言展」を訪れ、
先の大戦中に特攻隊員が家族にあてた遺書などを見て回られた。
8月7日には、佳子さま、長男の悠仁さまを連れ、昭和館をご訪問。
常設展示で空襲の犠牲者を示したタッチパネルの前では、
悠仁さまが「やっぱり広島県が多いね」と指摘され、秋篠宮さまが「広島は原爆でね」と応じられていた。
同月17日には、4方で新宿区の京王プラザホテルを訪れ、沖縄戦を語り継ぎ、
犠牲者を追悼するイベント「沖縄地上戦と子どもたち」に参加された。
昨年8月にも同じ団体が主催した学童疎開船「対馬丸」の追悼イベントに、
長女の眞子さまを加えたご一家で臨まれている。
この日は、沖縄戦があった昭和20年に10歳だった女性が家族を失った体験を証言し、
「戦争は二度とあってはならない」と訴えた。ご一家は女性の話に熱心に耳を傾け、
その後、参加者とともに沖縄民謡「てぃんさぐぬ花」を合唱された。
皇太子ご一家、秋篠宮ご一家ともに、両陛下と同じく、沖縄戦が終結した6月23日、
広島、長崎に原爆が投下された8月6日、同月9日、終戦の日の8月15日に
犠牲者の冥福を祈り続けられているという。
また、昭和天皇の次男である常陸宮さまと、常陸宮妃華子さまは5月19日、
日本いけばな芸術中国展の開会式に臨席するため広島市を訪問し、平和記念公園で供花されている。
三笠宮家の彬子さまと瑶子さまは4月22日、先の大戦の戦没者をまつる東京都千代田区の靖国神社を
春季例大祭に合わせて参拝された。
三笠宮家では祖父の三笠宮さまや、平成24年に薨去(こうきょ)された父の寛仁親王殿下も
春秋の例大祭期間中にたびたび参拝されている。
http://www.sankei.com/premium/news/150920/prm1509200034-n1.html

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