国連を利用して皇室典範改悪を目論む勢力はまだ蠢いています

国連 皇室典範

2016.7.24 01:00更新
【山本優美子のなでしこアクション(3)】
男系男子は女性差別ですか? 国連を利用して皇室典範改悪を目論む勢力はまだ蠢いています
皇位継承権が男系男子の皇族だけにあるのは女性差別−。
そんな勧告が国連女子差別撤廃委員会から出されそうになり
日本政府の抗議で削除されたというニュースをみなさん覚えてらっしゃいますか? 
私はジュネーブで委員会に参加してその雰囲気が分かるので、
今後も国連の委員会が同様の勧告を行うのではないかと不安に思っています。
そこで直接質問してみようと「女性活躍推進法、女性活躍加速のための重点方針2016及び
第60回国連女性の地位委員会等について聞く会」
(内閣府男女共同参画局主催、平成28年7月12日)に行ってきました。
このような「聞く会」は時折開催されており、申し込めば誰でも参加できます。
ただ、これまでの参加者はいわゆる左派リベラル系弁護士やフェミニスト系女性団体関係者がほとんどで、
政府に届く意見も彼女たちの意見ばかりでした。
政府に多様な意見を届けるためには保守系の団体も積極的に参加すべきだと思います。
会の最後に設けられた質疑応答の時間はわずかでしたが、たくさんの質問挙手の中、
幸い指名していただけました。私はこう質問しました。
「最終見解書に皇室典範の男系は女子差別である旨の勧告が盛り込まれそうになった件について、
どの委員が関与したのか。林陽子委員長はどう対処したのか。事実関係を調査したのでしょうか。
また、調査結果の公開予定はありますか。今後、他の人権委員会でも審査項目として出てくる可能性がありますが、
その場合どう対処しますか?」
これに対して外務省女性参画推進室の女性が丁寧に答えて下さいました。
「調べています。公開はしません。今回は委員会でも話し合われておらず、手続き上にも問題がありました。
今後、他の委員会で出てきた場合、日本の文化・歴史について情報提供し、説明努力を積極的に行います」
日本は昭和60年(1985年)に女子差別撤廃条約を締結しました。
この時国会で「皇位継承資格が男系男子に限られているのは女性差別に当たるのではないか」という
議論がありました。
これに対して当時の安倍晋太郎外相はこう答えています。
「皇位につく資格は基本的人権に含まれているものではないので、
皇位継承資格が男系男子の皇族に限定されておりましても、女子の基本的人権が侵害されることにはならない。
したがって、本条約が撤廃の対象としている差別にも該当しない。」
(昭和60年5月29日、第102回衆議院外務委員会)
こうしたちゃんとした理由があるので、日本はこの条約では皇位継承について「留保」していません。
「留保」というのは「条約全体には同意しつつも一部の規定の自国への適用を排除する声明」という意味です。
ところが、「留保していない限り、条約との整合性の問題が残っている」、
つまり「女性差別に当たる可能性もある」と示唆しているのが文京学院大学名誉教授の山下泰子氏です。
山下氏は「日本女性差別撤廃条約NGOネットワーク」として本年2月に開催された委員会に
70名もの仲間を率いて参加されています。
また、ジュネーブに事務所を置き、国連への働きかけも活発な「反国際差別運動」というNGOがあります。
顧問は女性差別撤廃委員会委員長の林陽子弁護士です。
「反国際差別運動」は部落解放同盟の呼びかけで設立された団体で、本部は部落解放同盟と同じ住所にあります。
部落解放同盟はその綱領で「身分意識の強化につながる天皇制および天皇の政治的利用への反対」として
反天皇制を主張しています。
女子差別撤廃委員会では過去に一度だけ、委員から皇位継承についての質問がありました。
平成15年(2003年)7月8日、フィリピンのマナノ委員(女性)が
「皇室と日本政府は、プリンセス愛子が女性天皇になれるよう皇室典範の改正を検討したことがありましたか?」
と質問したのです。
日本政府はこう答えています。
「皇室典範では男子のみに皇位継承があります。皇室の祖先神は天照大神であり、
日本の歴史には女性天皇もいました。しかし、愛子内親王が将来、女性天皇になる可能性はありません」
男系による皇位継承は日本の伝統であり、日本そのものです。国連の委員会が皇室典範に意見することなど
あってはなりません。
その一方で日本国内には女系容認論もありますし、反天皇の団体もあります。彼らが国連に働きかければ
「男系男子は女性差別」という問題を委員会に持ち込むことも可能だと思います。
国内で議論となり、国連も勧告すれば、国連信仰の強い日本人は流される危険が十分にあります。
もし私が皇室典範を改悪して日本の国柄を壊そうと意図するとしたら、
国連の人権委員会を利用して次のようなことをします。ターゲットは女子差別撤廃委員会(女子に対する
あらゆる形態の差別の撤廃)、自由権規約委員会(市民的及び政治的権利)、社会権規約委員会(経済的・
社会的及び文化的権利)あたりがよいでしょう。
これらの委員会にNGOとして「男系男子は女子差別、皇室典範の改正を求める」という意見書を
たくさん送ります。委員会が開催されるときは委員との懇親会合を開き、NGO会議でスピーチし、
議場でも委員を囲んでパンフレットや資料を直接委員に渡します。
その時は着物姿の女性がにこやかに対応すると効果があります。チマチョゴリ、アイヌ、
琉球の民族衣装の女性たちがこれまでそれをやってきました。
対委員会ロビー活動に慣れているNGOの協力があればもうバッチリです。
委員は、それぞれの出身国では立派な経歴があっても、日本の国柄や歴史・伝統・文化については知りもしないし、
考慮もしません。ましてや女系天皇と女性天皇の違いなど判るはずもありません。
「日本にはかつて女性天皇が10人いたのに、現在の皇室典範では男子しか継承できないのは女性差別だ」と
説明されたら納得してしまうでしょう。
委員会で日本の皇室典範が審査項目となった場合、日本政府がどんなに日本の歴史・文化を説明しても
委員会は聞く耳を持たず、NGOの意見に沿った勧告をしてくるでしょう。慰安婦問題に関し、
日本政府や杉山晋輔外務審議官(現外務事務次官)があれほど事実関係を説明したのにも関わらず、
これを無視し、最終見解書では相も変らず「日本政府の元慰安婦への謝罪、賠償、教科書に記載」を
勧告したのですから…。
これが私の杞憂に終わるとよいのですが、もし国連の委員会が皇室典範を審査項目に入れようとしたならば、
日本政府は毎回派遣している大代表団を中止し、加盟国中第2位で9・68%もの分担金約237億円を
停止し、厳しい姿勢で怒ってほしいと思います。
お金を出して国を壊されるような馬鹿なことが起きてはなりません。そもそも日本は、
国連の「上から目線」の勧告など必要ありません。なにしろ日本ほど人権が尊重され、
女性が恵まれている国はないのですから。

■山本優美子(やまもと・ゆみこ) なでしこアクション代表。上智大学卒。
保守系活動にボランティアで関わるうちに慰安婦問題は女性が取り組むべきと考え、
2011年に「正しい歴史を次世代に繋ぐネットワーク〜なでしこアクション」を立ち上げ代表となる。
海外の邦人女性とも連携し、対外発信、国連対策にも取り組む。
好きな言葉は、「国家とは亡くなった祖先、現在の私達、これから生まれる子孫、三者の共同事業である」

http://www.sankei.com/life/news/160724/lif1607240007-n1.html

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