政府は先人へ感謝する建国記念式典を

日本時事評論
第1841号 平成28年2月5日
<天録時評>
安寧と繁栄に不可欠な愛国心の涵養
 政府は先人へ感謝する建国記念式典を

連国記念の日が祝日となってから五十回目を迎えるが、依然として政府主催の奉祝式典は開催されず、
子供たちの多くは意義すら教えられていない。国家の安寧と繁栄のためには愛国心や忠誠心が不可欠であり、
建国記念の日に、先人に感謝し、国の繁栄を祈念する行事を、国民こぞって祝うことが不可欠だ。
政府・自民党は憲法改正の実現のためにも政府主催の式典開催を決断すべきである。

屁理屈の反対理由
今年の建国記念の日は、昭和四十一年の祝日法改正で祝日になってから五十回目を迎える。
愛する祖国とそれを築いてきた先人に感謝し、この誇りある国をさらに発展させ、
子孫に伝える責任と努力に思いを致す大事な日だ。
しかし、建国記念の日の意義が、学校でもきちんと教えられていない。
他の国々の独立記念日のような政府主催の奉祝式典もなく、盛り上りが少ないことは、
誠に残念であると共に、我が国の行く末が懸念される。
これも占領行政と戦後の共産革命運動の後遺症から、われわれが未だに立ち直れていないことを示している。

わが国を占領し、独裁的権力を行使した連合国司令部(GHQ)は、昭和二十三年に祝日法を制定した。
この新法により、一月三日の元始祭、四月三日の神武天皇祭、十月十七日の神嘗祭、十二月二十五日の
大正天皇(先帝)祭と共にも二月十一日の神武天皇の即位を祝う紀元節を廃止した。
さらには、春季皇霊祭を春分の日、天長節を天皇誕生日、秋季皇霊祭を秋分の日。明治節を文化の日、
新嘗祭を勤労感謝の日に改称してしまった。
GHQが、わが国の文化と歴史的な破壊を目指したことがよく分かる。

これに対し、昭和二十六年頃から国家の誕生を祝う紀元節を復活させようという国民からの運動が高まってくる。
昭和三十二年に「建国記念日」制定に関する法案が提出されたが、
共産主義政権の樹立を目指す左翼勢力や野党の反対で成立には至らなかった。
その後、九回も法案提出をしたが、廃案とされ続けてきた。
その反対理由が「神武天皇の話は歴史的、科学的根拠がない」「軍国主義につながる」というものだった。
この反対理由は、日本を戦争の元凶と決めつけた東京裁判史観を従順に受け入れ、
神話の時代から続くわが国の誇りある歴史、文化を否定したものだ。古代に徐々に国が形成されたわが国は、
近代に誕生した国家と違っ何年何月何日に誕生したと言うことは不可能だ。
まさに神代から連綿と続く皇室をいただいていることがわが国の誇りである。
日本書紀や古事記に記されたことをもって、先人の思いを理解し、建国の日とすることは、
非科学的との批判は当たらない。神話には、科学的根拠がないものもあるが、
歴史的、文化的には大きな意味を持っているのである。

キリストや釈迦の誕生を巡る逸話も史実に基づくものではない。
しかし、史実が明らかでないからと誕生を否定しないし、
昔から何らかの事象や由来に基づいて記念の日を決めるのは、人間の知恵である。
新年の初日の出を拝み、新たな気持ちや決意を抱く人は多いが、大晦日の太陽と初日の出の太陽とでは
何ら変わっていないとケチをつける人はへそ曲がりでしかない。
屁理屈の反対理由に屈することなく、政府主催の奉祝式典を実施すべきである。

向上心が不可欠
敗戦以後、わが国の文化や伝統が軽視され、国家意識が希薄化し、
安全や福祉などのサービスを提供するのが国家の役割と錯覚している国民が増えている。
国家が安定的に運営されるためには、その構成員である国民の愛国心、忠誠心が不可欠である。
回る独楽が向心力を失えば、不安定になり、倒れるように、
国家を支えるという国民の忠誠心が希薄化すれば、国家は不安定になる。
愛国心を涵養し、社会への奉仕を養うために、国の誕生を祝うことは重要である。

戦後、学校現場では愛国心の言葉すら否定されていた。
戦後教育は、共産主義の到来が歴史的必然だとするマルクスの唯物的歴史観に支配され、
資本主義を否定し、権力者を悪とし、民衆を善と決めつけた、歪められた歴史教育が行われてきた。
1991年に共産主義国家ソビエト連邦が崩壊し、欧米では共産党が消滅した。
しかし、わが国では依然として日本共産党が存在するように、
歴史学界をはじめ、日教組など一部の頑迷固陋な人々が、唯物的歴史観を保持し、
わが国の歴史や文化を貶める教育を行っている。

最近では、経済のグローバル化が進展する中、国家を超えた世界市民を賛美して、国家の役割を否定し、
国民としての義務や責任を否定した教育をしている。
その結果「もし戦争が起こったら国を守るために戦うか」という2010年の世界価値観調査で
日本人で「はい」と答えたのは世界最低の15%であり、「いいえ」の答えが四割近くに達していた。
これを見ても、戦後の偏向した教育の結果は明らかだ。

豊かで安心安全な生活も様々な福利厚生も、国家が安定してこそ享受できる。
国家が不安定化し、あるいは政府が崩壊すれば、どうなるかは今の中東を見れば一目瞭然だ。
しかも、世界平和や地球上からの貧困や飢餓の撲滅という理想の実現は、
それぞれの国が自立し、安定した政権運営を行ってこそ可能になる。
国民自身が歴史や文化を誇りとし、先人に感謝をし、愛国心、忠誠心を涵養することが急がれる。

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