皇太子さまの「素顔」とは

皇太子さまの「素顔」とは 我慢強く前向き、だじゃれも
多田晃子、島康彦2017年2月20日10時20分

皇太子さまは19日、天皇陛下の名代として、札幌市であった冬季アジア大会の開会式に出席した。
宮内庁は「寒い時期で陛下の年齢を考慮した」と説明するが、
健康面に問題がない状況で名代をたてるのは異例だ。
陛下の退位に向けた検討が山場を迎えるなか、今回のお務めは皇位継承の「序章」とも受け取れる。
23日に57歳の誕生日を迎える皇太子さまはどんな人なのか。どんな天皇になろうとしているのか。
長年交流のある2人に「素顔」を語ってもらった。

■まじめでユーモラス
「ご性格からして、(皇位継承を)ご自分の運命だと受け止め、ベストを尽くそうと覚悟されていると思う」と、
学習院OBオーケストラ元副団長の鎌田勇さん(88)は話す。
皇太子さまはビオラ奏者でもある。鎌田さんによると
「とにかくまじめで研究熱心。指遣いなどについて研究を重ね、色々な人に相談していた」。
親交は30年超。昔から変わらないのが「我慢強く、逃げない姿勢」と感じている。
長期療養中の雅子さまやご一家への批判記事が続いた際も色々な話をする中で、
「あまり心を動かされることはなく、いつも前向きに捉えておられたようだ」と話す。
だが、「どうしたらいいか困っています」と苦悩を吐露することもあったという。
雅子さまの海外訪問が直前まで決まらなかったことなどへの批判、
被災地など各地に精力的に足を運ぶ天皇、皇后両陛下との比較、次の天皇としての周囲からの過度な期待――。
様々な周囲の声を察して鎌田さんが「新しい公務のスタイルを作ればいい」
「ご自分を失わないで、思うようにお進みになったら」などとアドバイスすると、
安心したような表情を浮かべたこともあったという。
ユーモラスな一面もある。料理に塩をかける際、容器から塩がうまく出ず、
「皇太子殿下、やりましょうか」と声をかけると、
方言で「こうたい(交代)してんか」とだじゃれをいい、鎌田さんを笑わせたこともあった。
自らが目指す天皇像については「だんだん明確になってきていると思う。
国民のために何をしたら一番いいのか、まじめにお考えになっていると思うので、
殿下の思う通りにやって頂きたい」と期待する。

■水問題の研究、ライフワーク
皇太子さまがライフワークとするのが、治水や利水、水運など「水」問題の研究だ。
大量の専門書や資料を読み、各地の用水路や運河など関連施設を視察。
2013年3月には皇族として初めて米ニューヨークの国連本部で水災害の歴史について基調講演もした。
水問題の解決について、「貧困を改善し、水をめぐる地域での紛争を解消するという
世界平和へとつながるもの」(09年の会見)と話す。
相談役を務める元建設省河川局長の尾田栄章さん(75)は、
皇太子さまが自ら撮影した1枚の写真を見せてもらったことがある。
1987年3月、ネパールの中部都市ポカラ。
身近で水が手に入らず、女性や子どもたちが水くみ場前で列をなしている光景に、
皇太子さまは「強い印象を受けた」などと話したという。
皇太子さまは05年の会見などで「時代に即した公務」を掲げ、その柱の一つに水問題への取り組みを挙げた。
尾田さんは「殿下の水研究への取り組みは、多くの研究者の励み。
ずっと水問題に携わっていただきたいというのが水関係者の共通の思い」と話す。(多田晃子、島康彦)
http://www.asahi.com/articles/ASK2755LNK27UTIL038.html