第三次世界大戦―新・帝国主義でこうなる!

第三次世界大戦―新・帝国主義でこうなる!
田原 総一朗/佐藤 優【著】
アスコム 2008/12/25

第4章 日本 天皇と憲法、これでいいのか
(「押しつけ憲法」論の大きな間違い;天皇とは権威の世界の存在;
 天皇が還るべき原点;パッケージで考える憲法論)

佐藤 女系天皇も女性天皇も両方ダメ。それを認めると人権の思想が入る。

田原 今は現代。近代主義、合理主義でいいじゃないか。

佐藤 ダメ。近代でいいのは物事の一部だけ。   近代じゃない部分がないと近代は成り立たない。
   日本の天皇は権威。権力ではない。権威の世界には近代合理主義は適応できない。

田原 神話の世界で言えば、大本は天照大神。女性じゃないか。

佐藤 神話の男性・女性は現代のそれとは異なる概念。農産的=女性シンボル
   天皇は祀り主。日本の皇統が女性はまずい、という伝統を持っている。
   男性で千数百年続き、日本の歴史と伝統になった結果こそが重要。

田原 だけど皇太子家には愛子さんしかいないじゃないか。

佐藤 理屈のない世界の存在として「あくまで歴史と伝統を守るべきだ」。


■雅子さま問題

田原 雅子さんは実に気の毒。一種の囚われ人。基本的人権もなにもない。

佐藤 その問題にはまったく関心がない。いかにして皇統が維持されるか、それだけ。
   人間的なものを皇室に求めるのは間違い。

田原 基本的人権はどうでもいいのか。

佐藤 関心がない。だって彼女も悪いんですもん。

田原 お嫁にいったのが悪い?

佐藤 あえて言えば自己責任の世界。
   日本最古で最高の神主さんの家にとついで神主さんの行事に出られない理屈はない。
   行くなら完全に覚悟しなければ、それくらい怖い世界だと思う。

田原 皇太子の熱心な求婚を断るのは大変。

佐藤 断ることはできる。(ロシアで幽閉された日本人女性の例)

田原 雅子さんは、がなりたてられずに身体を壊しているんですよ。

佐藤 いや、閉じ込められても逃げ出すことはできるわけですから。
   雅子さんは別に缶詰にされたわけじゃない。
   身体を壊したのは、結婚してからでしょう。

田原 佐藤さんは冷たいねえ(笑)

佐藤 私は基本的に外務省出身者に対しては冷たいですから(笑)

田原 わかった。


■原武史「昭和天皇」の内容について

佐藤 (両陛下と皇太子夫妻がうまく行かない)
    いちばんの問題は宮中司祭の問題だとみている。
    日本全体の祀り主のところにお嫁にいった以上、祝詞を一緒に詠んだりすべき。

田原 祟りや因縁では病気が治らないから近代科学が発達した。

佐藤 二つの世界が必要。神主の奥さんなんだから。神主の原点に戻らないと。

田原 すると皇太子は「現世とは離れろ。もう娑婆には戻れない」と話さなければならない?

佐藤 端的に言ってそのとおり。そうなってもらわないと。
   宮中祭祀にも苦痛でもちゃんと出席する。そのうち儀式の面白さもわかってくる。


■西尾論文について

佐藤 非常にいいと思う。外務官僚どもは宮内庁、東宮から出て行けというのは
   まったく正しい。ただ、離婚に関しては、民の立場からすると言い過ぎ。
   皇室外交は意味がないと書いているが、ものすごく意味がある。
   ただしそれは日本の最後の切り札。軽々に用いてはならない。

田原 天皇も人間で人間的な皇太子を育てた。神に戻れといっても無理。
   人間宣言してもう戻せない。

佐藤 神道の原理的な発想を押さえておけばお世継ぎ問題は心配しなくてよい。
   生まれなければ見つかる。神道の発想は「明日できることを今日やるな」です。